社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年12月06日号

上場企業の経常利益、3期連続最高

日本経済新聞社がまとめによると、2006年3月期の連結経常利益は前期比4.9%増の25兆4170億円となる見通しで、3期連続で最高を更新することが確実となった。原油や鉄鋼などといった資源高に加えて、回復傾向にある内需や為替の円安が寄与しているものと見られ、商社や鉄鋼、自動車などの主要産業で増益基調が続いている。上場企業の3割に当たる410社が最高益に達する見込み。3期連続最高益は、バブル期の1988年-91年3月期以来となる。ただ、下期に向けては、外需の不透明感や円安修正の動きを警戒する企業も少なくない。



法人申告所得、日銀が75位から2位に

帝国データバンクが発表した、2005年上半期(1-6月)に決算を迎えた法人の申告所得ランキングによると、トヨタ自動車が6年連続でトップだった。2位は、日本銀行で、前年の75位から大幅に順位を上げた。円安による保有する米国債などのドル建て資産の評価益が膨らんだもので、所得額では前年同期の11.6倍にも達した。3位には、昨年の猛暑での電力需要が増した東京電力となった。



地価下落で固定資産税は税収減と試算

総務省は、土地や建物にかかる固定資産税と都市計画税の2006年度の税収が今年度より4200億円減収となるとの試算を発表した。2006年度は、税額を算定する評価額を3年に1度見直す年にあたるため試算したもので、固定資産税収は3600億円の減収、都市計画税は600億円の減収と、落ち込み通しとなった。減収の背景には、依然とした地方での地価下落が続いていることや、建築資材の価格低下で家屋の評価額下がることが影響している。ともに市町村税だけに、地方自治体の税収の減収となり、自治体財政への圧迫は避けられそうにない。



為替不介入、過去最長の20ヶ月に

政府・日銀による外国為替市場の不介入期間が20ヶ月に達し、過去最長を更新した。円安・ドル高基調が続き、最後に介入した04年3月以来、「介入実績がゼロ」となっている。通貨当局が円安傾向の為替相場を問題視していないためだが、急激な相場の動きに対しては、介入する姿勢だけは変えていない。



相続税での物納基準を緩和へ

政府は、相続税を現金ではなく、不動産や有価証券などで納める物納制度の基準を緩和する方針を決めた。緩和策では、原則の現金に加えて、税務当局の許可を得て、国が処分しやすい上場株式や住宅用不動産などに限られていたが、非上場企業の株式や山林の一部も対象に加える。中小企業の事業承継に当たって、その企業株の一部を納税に充てることが可能となり、事業の継承が円滑に進むとの判断からの緩和策で、2006年度の導入を目指すとしている。



妊娠・出産を理由とした配転を禁止

男女雇用機会均等法の改正案で、妊娠や出産を理由に不利な配置転換や、正社員からパートタイマーなどの契約変更を強要する処遇を禁止する規定を盛り込むことを明らかにした。また、改正案では、建前は性に中立ながらも、実態は男女一方に不利益を与える規定や慣行を禁じる「間接差別」の禁止も盛り込み、差別に当たる具体的事例を省令で示すとしている。例示に当てはまる場合は、企業は合理性を証明しなければならなくなる。厚生労働省は、2006年の通常国会に改正案の提出を目指している。



地震保険料の所得控除を新設か

自民党の税制調査会は、地震保険料を個人の所得から控除できる制度を新設することで検討に入った。同税調は、地震が頻発する状況に対応して、地震保険料の所得控除は公益に叶うと判断したもの。内閣府は控除限度額について所得税は年5万円、住民税は年3.5万円とするよう要望している。



血液1滴で、ガンを1分間で診断

東京工科大学と産業技術総合研究所は、ガンや感染症を血液1滴で1分間といった、高感度で迅速に診断する新技術を開発した。新技術は、ガンなどの目印となる特定タンパク質の有無を調べる検査法で、前立線ガンを診断するタンパク質で調べたところ、従来20分くらいだった検査時間が1分になったという。



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