社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年11月22日号

個人情報保護法、運用見直しを検討

国民生活審議会は、名前や住所など個人を特定できる情報の不正取得や漏洩を防ぐ狙いから制定・施行された個人情報保護法について、過剰反応を回避する上から、法律の見直しを含めた協議を開始した。本年4月以降の法施行後、悪質業者が個人情報を入手して希望していない電話勧誘が繰り返されたりする一方、病院が警察の事件捜査に際して、患者に関する情報提供を拒否するなどの過剰反応で、業務に支障をきたすなどの指摘が出ている。このため、同審議会では、3年間かけて制度の不備を協議し、問題点の改善に乗り出すとしている。



就職内定率が大幅アップに

厚生労働省と文部科学省の調査によると、来春卒業予定の就職内定率が大幅に上昇していることが分かった。10月1日現在での就職内定率は、大学生で前年同期比4.5ポイント上昇の65.8%、高校生で同5.1ポイント上昇の44.0%となった。大学生は2年連続、高校生は3年連続の改善となっている。厚労省は「景気回復傾向が続いているとともに、団塊世代の大量退職を前にして、これまで様子を見てきた企業が採用意欲を高めている。内定率の上昇幅も大きく、7年ぶりの水準に戻った」と話している。



米、9月の単月で、貿易赤字過去最大に

米商務省は、9月の貿易赤字が前月比11.4%増の661億ドルとなり、単月での赤字が過去最大になった発表した。原油高に加え、大型ハリケーンでの原油不足を背景に原油や石油製品の輸入が増大したことや、対中国赤字幅が前年同月比29.5%と大幅に増加したことなどが赤字要因として指摘されている。このため、今後、中国の人民元切り上げを求める声が米国で強まる可能性が出てきた。



小企業でも雇用の不足感、拡がる

国民生活金融公庫がまとめた2005年の小企業の雇用動向調査によると、従業員の過不足判断DI(「不足」と回答した企業の割合から「過剰」と回答した企業の割合を差し引いた値)は、前年比2.9ポイント上昇し、5.7となり、雇用の不足感を指摘している。DI(不足超)は2年連続で、小企業でも景気回復を背景にした雇用の不足感が強まっていることを物語った。



入院日数、日本が最長日数に

経済協力開発機構(OECD)がまとめた「図表で見る医療」によると、病院での入院日数の長さは日本が20.7日と、加盟国30カ国の中で、最も長期となっていることがわかった。OECD加盟国の平均日数は6.7日で、日本は実にその3倍強となっている。2位の韓国が10.6日であることからしても、日本の入院日数の長さが際立っており、今後、政府が進める医療構造改革における長期入院の是正が課題となってきそうだ。日本の長期入院の多さは、在宅医療や介護施設の受け皿不足で一般の病床に入院する「社会的入院」が多いと指摘されている。



ネット申請の利用は進まず

インターネットを通じ役所への申請を行って済ませる、いわゆる電子政府計画で、各種の給付申請をはじめ主要な行政手続の8割でネットからの利用率が1%にも満たないことがわかった。政府が2001年度から着手した電子政府計画で、ネットで申請できる手続きは現在約1万3千種類ある。利用率が低調な主因として、本人確認に必要な電子証明書の取得に数千円かかることや、ネット申請後に必要な証明書を郵送するか持参するかといった手続きの煩雑さが挙げられている。公務員削減などの行財政改革にも貢献するとみられた電子政府計画だが、行政のスリム化にはつながっていないのが現状だ。



銀行の貸出残高が約7年ぶりに増へ

全国銀行預金・貸出金速報によると、10月末の全国の大手行・地銀など128行の貸出残高は、前年同月比0.2%増の4百兆417億円で、6年7ヶ月ぶりに増加した。企業の資金需要が広がりだしたのと、個人の住宅ローンの拡大が主因とみられている。



鳥インフルエンザ感染の判定キット

シンガポールのバイオ医薬企業のロックビー・バイオメッドは、鳥インフルエンザ感染の有無を判定する検査キットを、鳥用と人用の2種類を発売した。特殊な機器を要さず加熱などの検査工程が不要なため、鳥などは現場の鶏舎で利用できる。しかも、感染を10分間で判定できる。



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