社会・経済のうごき@しんぶん
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2006年01月17日号

債権法、110年ぶりに抜本改正へ

法務省は、法律制定から110年近く経過している、民法の中の「債権法」の抜本的見直しに着手し、2009年の法案提出を目指すとしている。ITや国際化の進展で、契約形態が多様化してきており、現代社会に対応し切れていない面が多いための見直しとなる。債権法は、売買や賃貸借などの契約によって発生する権利を定めているが、最近は、ネット取引やフランチャイズ契約、ライセンス契約、ファクタリング契約(債権買取)など、当初債権法が想定しなかった取引や契約形態が増加し、トラブルも多いため、法整備により、取引の安定とトラブル抑止を図るとしている。また、検討では、自分が持っている権利が消滅する「消滅時効」についても行われる。



中国の財政収支は赤字体質

日本政策投資銀行は、中国は「一人っ子政策」の影響で急速な高齢化が進展による社会保障費の増加が財政悪化を招いているとの分析を発表した。同行の試算によると、2004年の中国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字は、2千100億元(約3兆円)で、国内総生産(GDP)占める割合は1.5%となっている。債務残高が深刻で、公債残高はGDP比で3割ほどにとどまっているが、今後、国有銀行の不良債権や、一人っ子政策による高齢化進展で年金基金への支出など社会保障関連の債務などの「見えない債務」が多数あり、同行では、中国の債務残高は日本の国・地方の長期債務残高に匹敵する可能性があるとみている。



外国人の入国者数、過去最多に

法務省入国管理局のまとめによると、2005年に日本に入国した外国人は約745万人にのぼり、過去最多となった。同省では、愛知万博の開催と、それに合わせた韓国と台湾への査証(ビザ)免除の恒久化、中国人団体観光客へのビザ発給条件の緩和などの効果が表れたとしている。一方、日本人の出国は約1740万人で、1700万人台は5年ぶりとなる。こちらも、中部国際空港の開港や羽田空港発のチャーター便増便で旅客輸送力増強が追い風となったとみられている。



2年連続で新車販売、減少に

自動車販売協会連合会は、2005年の国内登録車販売台数(軽自動車を除く)は0.9%減で、2年連続減少したと発表した。小型自動車(排気量2000cc以下)は新車投入攻勢で2.6%増とはなったものの、普通乗用車(2000cc超)は6.4%も減少した。軽自動車は、全国軽自動車協会連合会によると、1.7%増加し、約192万台となり、過去最高を更新した。ガソリン高から敬遠された影響とみられる。



最低賃金、産業別を廃止し、地域別に

厚生労働省は、最低賃金法を、一部業種にだけ高めに最低額を決めている『産業別』を廃止し、都道府県ごとに一律の『地域別』に一本化することを柱とした、抜本改正を行う方針を固めた。最低賃金は、労働者に支払う賃金の下限を定めたものだが、産業構造の変化などで実情にそぐわない規制を廃止し、地域別に一本化しつつ、地域別の罰則を強めて、労働者保護の役割を明確にする方針。労働政策審議会でまとめ、2006年の通常国会に改正案を提出する考えだ。



消費者金融と地銀等の提携進む

大手の消費者金融会社と地方銀行・信用金庫との提携が加速しており、昨年9月末現在のローン残高は約2600億円となっている。2年半前と比較すると、実に2.5倍に増えている。消費者金融と地銀等との提携ローンの仕組みは、地銀などが年利10-20%程度で顧客に個人ローンを貸し出し、融資が滞ったり、焦げ付いた場合には、消費者金融が肩代わりして地銀に返済する一方、消費者金融は貸出先の顧客から回収する仕組みとなっている。顧客開拓を目指す消費者金融と個人ローンを強化したい地銀などの思惑が合致した形になっている。



小学生の学習塾費が増加へ

文部科学省は、公立小学校に通う児童の1人当たりの学習塾費が昨年度平均約5万8千円で、2年前に比較すると14.4%増加し、1994年調査開始以来、最高額となっていることが分かった。背景には、「ゆとり教育」導入に伴って、学力低下を心配した親の不安があるとともに、私立中学への受験熱が背景にあると、同省ではみている。



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