社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年11月08日号

無担保で経営者個人保証免除の融資が

東京三菱銀行は、来年5月からの新会社法の施行に併せて、無担保で経営者個人の保証も免除する中小企業向けの新型融資を大手銀行では初めて導入する方針を固めた。融資は、新会社法で導入される「会計参与制度」を採用し、TKC全国会の税理士・会計士が決算書を作成していることが条件となる。融資額は現行の5千万円から1億円へ倍増させる見込みで、貸出金利も通常(現行2%)より0.5%以上低くするほか、選択によって金利を高めにして個人保証なしにするかが選べる仕組みに設計する見通しである。大手銀行も中小企業の成長力や健全性を重視した積極的な融資姿勢にようやく転換し始めたと見られている。



政府税調、定率減税廃止で大筋合意

政府税制調査会は、総会で、所得税と個人住民税を最大で年29万円軽減する定率減税を2007年廃止することで大筋合意し、2006年度の税制改正答申に盛り込む見通しとなった。定率減税は、景気対策として1999年から導入され、昨年末に2006年から減税幅を半分にすることが決定され、残りの半分の取り扱いについては今年議論するとしていた。年収700万円のサラリーマンのモデル世帯(専業主婦・子供2人)でみると、06年は05年より年間で4万1千円の負担増、そして今回決定した07年の全廃では8万2千円の負担増となる。



消費税全額を社会保障にと、自民が提言

自民党の財政改革研究会は、消費税を社会保障目的税化し、全額、年金・医療などの社会保障の公費に充てる方針を提言した。提言は、同研究会が来春に最終報告をまとめる中間報告の形で公表された。消費税収の総額と社会保障の公費負担とを釣り合わせる方針で、消費税収の枠を設けることで、社会保障費を抑制する考え方がある。想定される税率については、先の財政制度等審議会の試算に準拠すると、経済成長率の伸びに併せて社会保障費の伸びを抑制した場合は2015年度で12%、抑制しなければ同15%程度が必要としている。野党からは、「増税が既定路線ということに違和感を感ずる。ムダを削る努力を並行して出すべきだ」と、中間報告への批判が出ている。



日本IBMが65歳まで単年度雇用

日本IBMは、定年の段階的延長を求めている来年4月施行予定の改正高齢者雇用安定法を先取りする形で、社員を単年度契約方式で65歳まで雇用する制度を導入することを発表した。55歳になる時点で、60歳の定年まで働くか、単年度契約に移行して最長で65歳まで働き続けるかを選択するもの。単年度契約に移行した場合は、いったん定年扱いで退職し、再雇用となるが、賃金は年金と合わせると退職前の水準とほぼ同じとなる。ただ、単年度契約のため、本来の定年の60歳前で契約が打ち切られることも想定される。



銀行の従業員数はピーク時の4割減

全国銀行協会の調べによると、2005年3月末の全国銀行の従業員数は28万8千人となり、ピーク時の1994年と比べ、約4割減少していることが分かった。従業員数の減少は、11年連続で、不良債権処理に取り組む一方で、収益確保のために人員削減を進めて来た銀行の苦悩を物語っている。しかし、ここにきて収益力強化を目指す大手銀行では、個人向け営業展開を図るため、中途採用を増やす傾向も見られている。



水うがいは風邪予防に効果あり

京都大学保健管理センターが「うがい」の効能を科学的に調査した結果、「水うがい」すると、しない場合に比べ風邪の発症が4割減少することが分かった。健康な人を、「うがいをしない」「水でうがいをする」「うがい薬でうがいをする」の3グループに分け、調査した。うがいをしないと1ヶ月あたり100人換算で26人が発症するが、水でうがいをすると同17人で、水うがいが風邪の発症を4割減になる計算となる。うがい薬は同24人が発症し、うがいをしない場合と大差がなかった。また、風邪を発症した後に、解熱鎮痛薬を服用すると風邪の治りが遅くなる可能性があるとの結果も出た。



100年後、東京は鹿児島並の気温

気象庁は、長期の気候変動に関する分析と予測をまとめた「異常気象レポート」で、2100年の日本では年平均気温が現在よりも2-4度上昇し、東京では現在の年平均気温15.9度が、現在の鹿児島並みの18.3度になると予測している。また、海面水位も15-16センチ上昇するとしている。



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