社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年10月04日号

会社員の健保料の上限を引上げ

厚生労働省は、会社員が加入する健康保険の保険料にかかる上限を現行の98万円から120万円程度まで引き上げる方針である。現行の保険料算出は、月給に応じ9万8千円から98万円までの39等級に分けた標準報酬が設定され、保険料率を掛けて算出されているが、改訂では新たに標準報酬を4-5等級設定し、120万円程度まで引き上げるとしている。標準報酬が98万円を超える高所得層にとっては負担増となる。また、これらの改訂を審議している社会保障審議会医療保険部会では、自営業者が加入する国民保険料についても、現行の上限53万円を引き上げるべきとの声が出ている。



定率減税は2007年から全廃へ

政府・与党は、所得税と個人住民税の税額の一定割合を差し引く定率減税を2007年に全廃する方針を固め、年末に決定する06年度税制改正大綱に盛り込むとしている。景気が順調な回復基調にあることや財政の健全化に寄与すべきとの観点からの判断によるもので、全廃となれば、実質3.3兆円が国・地方にとって増収となる。06年からの半減に続き、07年から全廃とする昨年末の与党税制大綱に原則順じた格好で、定率減税全廃は、07年度に予定されている税制の抜本改革の地ならし的な意味合いを持っている。全廃となれば、年収700万円の会社員と専業主婦、子供2人の家族で、これまでより年約8万円の負担増となる。



基準地価、大都市圏で底入れ感が

国土交通省が発表した2005年の基準地価によると、地価の全国平均は4.2%下落し、14年連続のマイナスとなったが、下落幅は1.0ポイント縮小するとともに、東京23区の住宅地で前年比0.5%、商業地で同0.6%上昇に転じるなど、底入れ感が拡がってきている。東京での地価上昇は15年ぶり。また、大阪や名古屋を加えた3大都市圏でみても地価上昇地点が急増し、福岡や仙台市などの地方都市でも上昇地点が現れてきている。しかし、人口流出などの構造的な問題を抱える多くの地方都市では、なお大幅な下落が続いており、大都市圏と地方都市との地価の二極化現象は依然として残っている。



民間の3割が派遣労働者を採用

厚生労働省が初めて行った派遣労働者実態調査によると、昨年3月の改正労働者派遣法の施行後、派遣労働者を採用する民間企業が一段と増加し、全体の3割以上にのぼっていることが分かった。派遣労働者がいる事業所は31.5%あり、03年に実施した別の調査結果から12.5%も増加していた。業種別では、最も高いのが金融・保険業で企業全体の63.8%に派遣労働者が採用され、次いで情報通信業(50.3%)、不動産業(48.6%)、製造業(38.5%)の順。企業側が派遣労働者を使用する理由は、「欠員補充など必要な人員を迅速に確保できる」(74.0%)、「一時的な業務量の変動に対応するため」(50.1%)となっている。



診療報酬、2-5%引下げ方針

政府は、膨らむ医療費に歯止めをかけるうえから、2006年度に、診療報酬を2-5%程度引き下げる方針を固めた。診療報酬は、医師や保険薬局による検査・治療・投薬・調剤など行為ごとの公定価格で、ほぼ2年に1回改定されてきている。国民医療費が毎年約1兆円ペースで増加し、医療保険や国の負担も限界に近づいているとの判断から、診療報酬の引下げを首相が判断した。財務省の試算によると、診療報酬5%の引下げで、国保や政府管掌健保への国の支出は約4千億円減ることになる。



中小社長向けにネット法律相談

個別指導塾を行っているリソー教育は、インターネットの動画付き通話システムを利用して、中小企業経営者向けの法律や税金相談サービスを始める。IT技術を活用した中小企業の実証実験事業の1つとして経済産業省の認可を受けたもの。同社の応答センターに詰めている弁護士や税理士20人程度が経営者からの相談に応じる。当面は、経産省が選定した中小企業100社が3ヶ月間無料で利用することができるが、1月中旬以降は1ヶ月2-3万円の有料サービスとして門戸を開放する。



住民基本台帳、原則、非公開へ

総務省の住民基本台帳検討会は、誰でも閲覧請求できる現行制度を廃止し、原則非公開とするよう求める報告書案をまとめ、同省も来年の通常国会に住民基本台帳法改正案を国会に提出する。あくまでも、公益目的の利用に限定し、企業が営利目的で閲覧することも禁じている。



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