東京都老人総合研究所の調査によると、判断能力の低下した認知症の高齢者を治療する際、本来必要とされる患者本人の同意を得るのに「困った経験がある」医師は、全体の81%に上ることがわかった。また、治療を拒否された経験もある医師も約6割近くにも達し、専門家は「必要な治療を受けられない恐れもある」と懸念している。このため、「成年後見制度を拡充し後見人に治療の同意権を与える」(63%)、「医学的見地から意見を述べる第三者機関を作る」(49%)との医師の要望が強い。調査を行った同研究所でも「一定レベルの医療行為については成年後見人が同意を与えることができる仕組みの構築が必要」と強調している。 |