社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年08月30日号

6割の銀行が不動産業向け融資増

東京商工リサーチの調べによると、全国の銀行の6割が不動産向け融資を増やしていることがわかった。2005年3月期決算で業種別の貸し出し状況を確認できた全国126行のうち、約6割にあたる78行で不動産業向け融資が前年同期よりも増えている。個人の住宅需要が多いことや大都市圏を中心に地価が回復基調にあることが要因と見られている。増加率が10%を上回る銀行は26行にのぼり、増加率が最も大きかったのは山形しあわせ銀行で35.6%増となっている。



産業再生機構の株式売却益は76億円

産業再生機構が本年3月までに支援を終えた企業8社の株式売却益は76億円になることがわかった。同機構は、「人員削減や不採算事業の譲渡など企業再建に取り組んだ結果、企業価値が高まり、再生企業の株式を購入時よりも高値で第三者に売却できた」としている。しかし、同機構は、05年3月期で43億円の未処理損失を抱えており、今後、ダイエーやカネボウなどの大型案件を抱え、再建に失敗すれば国民負担となりかねない。なお、再生機構は本年3月末で支援企業の募集を打ち切っている。



外国人の日本株買いに勢い

外国人投資家の日本株買いが勢いを増し、8月第2週の投資主体別売買動向で、外国人の買越額は6877億円と今年最高を記録した。4月以降の外国人の買越額は2兆5千億円で、日経平均株価を1万2千円台に乗せる原動力となっており、外国人投資家によって日経株価が現在の価格を支えられている構図が浮き彫りとなっている。このため、売り越しに転じた場合、調整局面に入り、景気に水をさしかねないことから、市場の一部では、急ピッチな外国人買いに対しての警戒感も出ている。



70歳以上限定の積立傷害保険

三井住友海上火災保険は、9月から、70歳以上を販売対象に限定した積立傷害保険を販売する。仕組みは、加入時に保険料を一括支払し、満期時に利息と併せて返戻されるもので、満期までの期間中にケガなどをした場合には治療費などの保障が受けられる。高齢者の余裕資金を取り組もうとする戦略で、銀行窓口での積立傷害保険販売が05年末解禁となることから、この分野の競争は、一層激化するものとみられる。



設備投資計画、中小企業でも増加

日本政策投資銀行の調査によると、中小企業が2年連続で前年度実績を上回る国内設備投資を計画していることがわかった。中小企業の全産業で、前年実績比5.7%増と、04年度実績の4.4%増より上回っている。同行では、「今回の回復局面では大企業に連動するように投資姿勢を積極化している」と分析している。中小企業の今年度計画を業種別にみると、製造業のうち、「輸送用機械」では自動車部品、「電気機械」では液晶テレビ向け半導体などの製造設備増強を計画している。



パート社員の待遇改善に助成金

厚生労働省は、来年度から、パート社員の正社員登用や正社員と同等な教育機会を提供する中小企業に助成金を支払う制度を導入する。04年のパート労働者は約1400万人で、10年間で40%近く増加しているが、職業訓練の機会に恵まれないことや、昇進・昇給の道が閉ざされるなど、正社員との格差が大きい環境にある。新たにスタートさせる支援事業は、①パートから正社員への転換制度、②パートと正社員に共通の評価・資格制度、③正社員と同じ教育訓練制度などを設けて、実際に対象者が出た場合に助成金が支払われる。助成金は年間数10万円規模での助成が検討されている。今回の措置は、先行き人口減少を控え、人的資源の有効活用の狙いがある。



軽自動車普及、29年連続プラス

全国軽自動車協会連合会がまとめた、05年3月末時点の軽自動車の世帯普及率によると、100世帯当たりの普及台数は45.8台で、前年比1.1台増となっていることが分かった。29年連続して増加したことになる。都道府県別の普及率は、鳥取(100世帯あたり93.5台)、島根(91.4台)、佐賀(90.1台)の3県が普及率9割を超えた一方、東京都が最少の10.2台だったほか、神奈川、大阪などの都市部では普及率の低さが目立った。軽自動車の性能向上やセカンドカーとしての需要拡大を背景に増え続け、軽自動車の保有台数は、前年比3.7%増の2309万台となり、この30年間で4倍に増えている。



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