社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年08月09日号

出産一時金を増額へ

厚生労働省は、このほどまとめた公的保険給付見直し案によると、少子化対策として現金給付している出産一時金を現行の子供一人当たり30万円から数万円増額する見通しだ。また、産休中の会社員に休業前の6割相当額を支給する出産手当も、「医療保険に1年以上加入」との要件も緩和する方向で検討している。半面、業務外の病気やケガで休業している人に支給している傷病手当金は現行の休業前収入の約60%から約45%に減額する方針。来年の通常国会に関連法案を提出する医療制度改革に盛り込まれる予定である。



2030年の労働力は今より16%減に

厚生労働省の雇用政策研究会は、2030年の労働力人口(15歳以上の就業者及び就業希望者)は、04年比で最大16%が減少するとの試算をまとめた。この結果、15-30年の実質経済成長率は平均で0.6%程度にとどまる。しかし、高齢者や女性、さらには働く意欲の薄い若者などの労働市場への参加を促すことで、15-30年の実質経済成長率は1.6%程度まで高められるとしている。



今春の私大定員割れは160校と最多

日本私立学校振興・共済団のまとめによると、今春入試で定員割れした私大4年制大学は、過去最多の160校にのぼることがわかった。全体の29.5%にあたる。総志願者数が総合格者数に並ぶ「大学全入時代」が2年後に迫り、私学経営の厳しさが一段と募っている。入学者数が定員の50%に満たない大学は17校、30%に満たない大学も5校あった。地域別の充足率をみると、東京が114%、京都・大阪が113%であるのに対して、四国と九州は94%台となっている。



隆盛の中国、地盤沈下する日本

電気事業連合会の勝又会長は、中国の人民元切り上げに関して、「隆盛に向かう中国と地盤沈下する日本を象徴している」としたうえで、「原油や天然ガスの輸入増大で需要家としての存在感が高まり、かつての日本の地位が奪われつつある」とエネルギー事情への懸念を示した。事実、日本より安価で中国に販売する天然ガス産出国も現れ、人民元切り上げで輸入価格を引き下げ、エネルギー調達を容易にしている。「日本は資源産出国との関係強化対策を急げ」と警鐘を鳴らしている。



UFJ、携帯電話を使ったATM融資

UFJグループは、顧客が携帯電話を使ってATMからお金を借りられるサービスを8月から開始する。UFJ銀行のATMに、ソニーの非接触ICカード技術「フェリカ」搭載の携帯電話機をかざして使用するもので、借り入れ限度額は、数十万円から百万円程度まで個人の信用力に応じた金額が設定される。こうしたサービスの全国展開は初めてで、今後は全国の商業店舗にあるクレジットカードの磁気読み取り機を携帯電話対応にすることで、買い物もできるようにしていく考えだ。携帯電話がクレジットカード機能を持つ時代がやってきた。



農業補助金を企業にも支給へ

農林水産省は、これまで農業生産法人や農協に限定されていた農業補助金を、規制緩和で農業に参入した民間企業にも支給されることになり、今年度中に支援先を決定するとしている。支援先は、構造改革特区などで農家から農地を借りて農業に参入した株式会社で、耕作面積が20ヘクタール以上で農作業に従事する社員を3人以上にする計画があることが支援の要件となっている。また、本年9月には改正農地法が施行し、特区以外でも、一般の株式会社が農地を借りられるようになり、農業に参入意欲を持っている建設会社や食品メーカーが増えると見られている。



年金改革影響か、離婚調停が減少

夫婦間の話し合いで合意が得られない場合に申し立てる調停は1988年から増加傾向にあったが、04年は前年より一気に2千6百件が減少したことが最高裁の統計で分かった。また、協議離婚も02年の28万9千組をピークに、04年は約27万組に減少した。04年6月に成立した改正年金法で離婚して元夫の年金分を分割して受け取れる制度が07年4月からスタートするため、専業主婦側が申請を控えた結果、調停件数が減少したものとみられている。07年4月、突然、妻側から「離婚して!」と切り出される夫が急増するかもしれない。



百円ショップの生鮮品「買いたくない」

調査会社のインテージは、100円ショップでの買い物に関して、生鮮食品をどの程度買いたいかを調査したところ、「買いたくない」「あまり買いたくない」が41.4%で、「買いたい」「まあ買いたい」の20.4%を上回った。鮮度や品質への不安を上げる声が多かった。



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