社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年08月02日号

異常気象で経済にもダメージ懸念

今年も世界各地で異常気象が相次ぎ、穀物や原油にも影を落とし、経済へのダメージが懸念され始めた。米国では、中西部で6年連続となる干ばつの恐れが浮上し、特にイリノイ州では穀物は20年ぶりの深刻な干ばつに見舞われる恐れがあり、大豆、トウモロコシ、小麦などの収穫量減少がささやかれ始めた。また、メキシコ湾などの米南東部は暴風雨が平年より増える予想で、海底油田や製油所の操業に支障が出ることでの原油高が懸念されている。その他、欧州での猛暑、中国での豪雨水害も出ており、異常気象が経済に影響を及ぼすことが世界規模で懸念され出している。



4年ぶりに地方税収は増加へ

総務省がまとめた2004年度の地方税収は、4年ぶりに前年度決算額を上回る見込みで、速報値は32兆98百億円となると発表した。企業業績が好調で、法人事業税と法人住民税の税収が伸びたことによるもので、今後は個人の所得増に伴って住民税収も増加すると同省ではみている。06年度以降、国と地方の税財政改革(三位一体改革)に伴い、国から3兆円の税源が移譲される見込みだが、地方税収の好調で、地方の税収基盤は一段と安定するとみられている。



地域再生交付金に防災なども追加へ

政府は、省庁ごとの補助金を統合して、自治体の裁量を広げた地域再生交付金制度に関して、これまでは道路整備など公共事業に限定していたものを、防災や子育てなどの6分野を追加する方針を固めた。新たに交付金の対象となるのは、防災・子育て・環境エネルギー・IT・商店街振興・人材育成の6分野で、この追加により今年度810億円だった交付金は2千億円規模に膨らむ。今回の措置は、三位一体改革を進めるうえで、大幅な拡充が必要と首相が判断したことによる。



原油高騰の影響は「まだ軽微」

経済産業省は、原油価格の高騰が企業に与える影響調査を行った結果、直接的な影響はまだ小さいとしたうえで、今後については米国や中国の経済減速につながる可能性を懸念する企業が多かったと発表した。原油を原材料に多く使う科学メーカーなどで収益が圧迫されてはいるものの、現時点では生産や設備投資計画を変更するまでには至っていないとする企業の声が寄せられている。



医師不足に自衛隊医官を活用

深刻な医師不足に悩む地方の問題解決策として、自衛隊の医官を派遣する計画が、厚生労働省と防衛庁の間で検討され始めた。即効的な医師不足解消対策を行いたいとする厚生労働省と、臨床経験ができる場所を確保して医官の流出を食い止めたい防衛庁の思惑が一致した格好だが、山間部や離島に派遣したい厚労省と、地方中核病院での専門的な技術研修を望む防衛庁との考えのずれがあり、調整にはまだ難航が予想される。



平均寿命、過去最高を更新

厚生労働省の「2004年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は、女性が85.59歳、男性が78.64歳と、男女ともに5年連続で伸び、過去最高を更新した。女性は20年連続の世界一で、男性は前年の第三位からアイスランド(78.8歳)に次いで第2位になった。「ガン以外の脳疾患や心疾患などの死亡確率が下がったことが平均寿命を押し上げた要因」と、同省ではみている。



ニートは最多の64万人に

厚生労働省の「2005年版労働経済白書」によると、2004年のフリーターは推計値で213万人と、前年よりも4万人減少したものの、依然として高止まり状況にあることがわかった。また、進学も職探しもしない「ニート」は前年並みの64万人と最高水準が続いており、働く意欲に乏しい若者が依然として多いことが浮き彫りとなった。厚労相はニート対策に関して、「単なる労働政策の一環としてではなく、大きな社会問題として取り組むべきだ」と述べた。



夏休み国際線予約は減少に

国内航空各社のまとめによると、今夏の夏休み期間中に国際線を予約した人は、前年より5.4%減の約83万人であることがわかった。反日デモのあった中国は約17%減、スマトラ沖地震の被害回復途上の東南アジアは7%減、同時テロのあった英国を含む欧州線も減少している。



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