社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年07月19日号

日銀短観で「踊り場脱出」に手応え

日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、バブル崩壊以後、経済の重しとも言われてきた「設備・雇用・債務」の3つの過剰が改善傾向を示し、日銀は踊り場脱却への手応えを感じている。日銀にとって、「年央以降に景気の踊り場を脱出する」とのシナリオが現実味を帯びつつあるものの、原油高や輸出停滞などを背景とした企業の3ヵ月後までの「先行き景況感」は前回調査より悪化していることで、今回の短観改善だけでは、脱出までは予断を許さない情勢にある。



中小企業の資金繰りも改善へ

日銀の短観で、資金繰り判断指数(「楽」から「苦しい」を引いた値)は、中小全産業で前回より1ポイント改善し、マイナス4となった。貸し渋りが話題となった98年時にはマイナス25に達しており、現在もマイナスながらも改善傾向が鮮明となっている。また、法人企業統計によると、企業がキャッシュフロー(現金収支)をすべて有利子負債の返済に回すと何年で完済できるかという「負債返済指数」が大企業では70年以降最低の5年強、中小企業では90年以来の低水準の13年弱となった。エコノミストは「大企業は手元資金を豊富に抱える金余り状態にあるが、それが中小にも波及しつつある」とみている。



経団連、天下り停止を会員に要請へ

日本経団連は、中央省庁の幹部が民間企業に再就職する「天下り」の受け入れ停止を会長要請の形で会員企業1500社に求める。日本道路公団発注による橋梁談合事件で元公団理事らによる官製談合を重視したもので、中央省庁の要職を経て退職したり、政府関係機関の役員を経験した人物の受け入れを見合わせるとしている。20-30歳代の公務員が企業に中途入社は容認するとともに、すでに天下っている人への退職勧告などは求めないとしている。



日本沿岸水位、ここ100年で最高

気象庁は、日本沿岸の海面水位が、ここ100年で最も高い状況にあり、沿岸の低地で夏から秋にかけて高潮による浸水被害に注意するよう呼び掛けている。同庁によると、夏から秋にかけては水温上昇で海水が膨張し、潮位が1年で最も高くなるのに加え、東海沖で続く黒潮の大蛇行の影響で東海から関東にかけ、潮位が最大数十センチ高くなる「異常潮位」が発生する恐れがあるとしている。



団塊世代の大量退職、「企業に影響」

内閣府が企業を対象に行った「高齢者の社会参画に関する調査」で、2007年から始まる団塊世代の大量退職が企業活動に影響を与えると見ている企業が49%にのぼり、経営問題としての関心の高さを示した。労務コストの軽減効果について、「かなりある」(15.1%)、「多少ある」(52.4%)と67.5%の企業が軽減効果を認めている。また、労働力が減少する社会での人材確保は「より困難になる」(34.9%)、「大きな変化なし」(40.2%)と、見通しは分かれた。



04年度、国税の全ての税目で税収

財務省が発表した2004年度の国税収入は、前年度より約2兆3千億円多い45兆59百億円となった。所得税はじめ全ての税目で当初予算額より決算額が上回った。税収増加は、景気回復による企業業績の好調さがあり、給与や消費を増やすという循環が背景にあり、法人税・所得税・消費税という基幹3税の税収を押し上げる格好となった。05年度は企業業績が減速する見通しで法人税の大きな伸びは期待できないが、企業に蓄積された余剰資金が配当や給与に向けられば、税収増は定着する公算が大きいとみている。



新入社員の8割が「勝ち組」と意識

社会経済生産性本部が、今春就職した新入社員を対象とした意識調査で、約8割が「自分を就職活動の勝ち組」と考えているが分かった。会社を選んだ基準は、「自分の能力が生かせる」(31%)、「仕事が面白い」(21%)が上位を占め、「会社の将来を考えて」(8%)と低位で、会社頼みの意識は薄まっていることを示した。「デートの時に残業を命じられたら」との問いには、仕事を選ぶ人が79%で、デートを選ぶ人が21%だった。仕事派は、女性が82%、男性が76%だった。



サラリーマンの小遣い、4万円台に

GEコンシューマー・ファイナンスが実施した「サラリーマンの小遣い調査」で、小遣いが前年より2300円アップし、1ヶ月4万6百円で、2年ぶりに4万円台になったと発表した。今春から小遣いが「アップした」割合は5.8%で、「変化なし」が78.2%だった。



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