社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年06月07日号

非営利法人への寄付金控除を拡大

政府税制調査会は、06年度税制改正において、非営利法人についての税制を大幅に見直すことで合意した。合意内容によると、政府が設置する有識者委員会で「公益性がある」と認定された非営利法人に対して法人税の減免措置が講じられるとともに、資金提供である個人や法人も税制上優遇するというもの。また、個人の寄付金控除については1万円以下の少額の寄付も控除対象にするとともに、地元に密着した非営利法人への寄付については個人住民税が軽減される制度を新設するとしている。



派遣社員の事前面接を巡り、火花

派遣社員の採用が中小企業にも浸透している中、労働者派遣法が禁止している派遣社員の「事前面接」を巡り、労使間で対立した論議が交わされている。同法では派遣先企業に対して、社員を選別するために、事前面接や履歴書の要求など「特定を目的とする行為」として禁止しているが、実態は「職場見学や顔合わせ」として、面接や採用試験のような行為が相次いでおり、派遣社員を支援する連合などは「年齢・容姿による差別を増長し労働条件の引き下げ」につながるとして、法令順守を求めている。これに対し、派遣業界や日本経団連などは、「雇用のミスマッチを防ぎ、派遣就業後のトラブル回避のためにも事前面接は必要」と主張している。



コメ入札改革で上限を設定へ

コメ入札改革を進めている農水省とコメ価格センターは、コメ高騰時に応札価格に上限制度を設定する方針を固めた。これはパニック的な買いで需給実態を超えて急騰するのを抑えることが狙いで、上限価格は前年産の平均に比べ20%以上高い銘柄に適用され、再入札で前回入札比5%高を超える応札は無効とされる。



ローソンが100円ショップを展開

ローソンは、生鮮品や生活雑貨などを税抜き100円で販売する新店舗展開を開始する。コンビニ市場の成長が鈍化傾向を見せている中、自社の物流網や商品調達力という強みを生かしたマーケティング戦略で、フランチャイズチェーン展開を図り、3年で約1千店に拡大する方針である。売り場はコンビニ規模で、野菜や精肉などの生鮮品を主体に扱うとしている。



末期がん患者も介護保険の対象に

厚生労働省は、来年4月から、40歳-64歳までの全ての末期がん患者を介護保険の給付対象者とする方針を固めた。この年齢層は介護保険料を負担しているものの、政令で定めている脳血管障害などの老化を前提とした「15の特定疾患」の場合にのみ限定され、対象外となっていた。余命など末期がんであることを医師が患者に告知していることが条件となる。



出生率1.28で過去最低を更新

厚生労働省は、2004年の人口動態統計で、1人の女性が生涯に産むとされる子供数(合計特殊出生率)が過去最低の1.28となり、4年連続で過去最低を更新したと発表した。結婚年齢が高くなったり、結婚しない女性が増えていることが背景にあると同省では見ている。昨年成立した年金制度改革法では、出生率が04年まで1.32で推移し、07年に1.30で底を打ち、30年には1.39になるとの前提で保険料負担と給付水準を算出していたが、4年間連続での過去最低更新は、給付水準の引き下げの可能性も出てきた。



auが家族の居場所確認機能を搭載

KDDI(au)は、家族の居場所確認やTV視聴ができる第3世代携帯電話を発売すると発表した。多様な使い方ができる点を提案することで顧客の囲い込みを図る狙いがある。今回発売する第3世代携帯は、毎秒2.4メガビットの高速通信が可能な上位機種「WIN端末」。全地球測位システム(GPS)を使って相手の居場所を確認できる「安心ナビ」を業界で初めて搭載し、探したい相手の了解のもとに、その居場所を携帯の地図画面で確認できる。



会社法改正の変更登記は非課税に

政府は、会社法案が成立・施行となった場合、株式会社などの商業・法人登記を新たな表記に自動的に変更する際に、登録免許税を原則非課税にする方針を決めた。会社法改正で、有限会社制度を廃止し株式会社制度に一本化するなど会社の分類が抜本的に変わることになる。有限会社は株式会社の中の「特例有限会社」となるが、現行の会社形態を維持する場合は、登記の変更手続きを不要とし、登録免許税も課さない方針。ただし、新法を契機に商号を株式会社に変更する有限会社などは、登記の変更申請と登録免許税が必要となる。



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