社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年06月21日号

公務員給与算定に中小も参考を

財務省は、国・地方公務員給与を巡る「官民格差」の是正にあたって、人事院の民間企業の比較対象が大企業に偏っていることを指摘し、中小企業まで比較対象を広げるよう、人事院に申し入れた。財務省は中小企業も対象に加えることで公務員給与の引き下げ率の上積みを狙う考えだが、人事院は「直ちに見直しが必要だとは考えていない」との立場をとっている。公務員給与は人事院勧告をもとに決められてきているが、勧告は公務員の争議権(スト権)などを制約している代償の意味合いがあり、他省庁が口出しのできない「聖域」に、財務省が踏み込んだ形だ。



住民税の徴税を所得税と統一へ

政府税制調査会は、自治体が徴税する個人住民税を所得税と同じように所得が生じた年に課税する方式へ統一する考えで、6月中に公表する「所得課税改革の報告書」に盛り込む。住民税は、前年の確定した所得をもとに、会社員であれば6月から12回に分けて毎月の給与から天引きされ、自営業者であれば年4回に分けて納税している。これを所得税と基準を統一することによって、会社員は収入が発生した時点で所得税とともに天引きされ、自営業者は確定申告時に納税することになる。収入が激減した場合に、前年の高い税負担をしなければならないという歪みの是正となる。ただ、関係者は徴税システムや企業の事務処理、自治体の課税所得のリアルタイムな捕捉体制の確立などで、導入までは2-3年かかるとみている。



上場銀行の不良債権は8兆円減少に

2005年3月期の上場95銀行・グループの不良債権残高は約16兆6千億円で、前年同期比より約7兆9千億円減ったことが分かった。銀行が不良債権の売却などの最終処理を急いだことや、企業業績の回復によって融資先区分が正常先区分に格上げされた貸出先が増えたことによるもの。



ブロードバンド、世帯普及率36%に

IT関連書籍出版のインプレスが発表した「インターネット白書2005」によると、ブロードバンド(高速大容量)通信の全世帯における普及率は36.2%で、1年間に11.1ポイントと大きく上昇した。インプレスは「光ファイバーの普及がブロードバンド利用者の増加につながった」と分析している。



年金資金運用基金の累損、解消へ

国民年金と厚生年金の積立金を運用する特殊法人「年金資金運用基金」の累積損失は、2004年度末時点で、ほぼ解消したことが明らかになった。一時、約6兆円にまで膨らみ、将来の年金給付への悪影響が懸念されていたが、株価上昇による運用益が上がったことによるもの。積立金は現役世代から徴収する保険料から受給者に対する給付費を差し引いたものを積み立てて運用しているもので、運用に損失が出ると将来の給付財源が目減りするリスクがある。



ネット監視網を10年度に実用化

総務省は、インターネット上での広範囲な通信障害を監視するシステムを2006年度から4年間かけて開発し、10年度に実用化する方針だ。今後、電子商取引の市場規模が拡大視されるなか、最近、間違った情報を流してデータの伝達経路を乗っ取り、通信障害を起こす「経路ハイジャック」が頻発し、問題視されていることが背景にある。ハイジャックに伴って発生する通信量の異常を接続業者が自動監視し、発生源を早期に検出しようとする狙いがある。



シニア派遣社員は急増傾向に

人材派遣業界の調べによると、50歳以上のシニア派遣社員は2010年に80-100万人に達することが分かった。07年以降、団塊世代が一斉に定年退職を迎えることに加え、派遣職種に昨年加えられた製造業での派遣期間が07年から3年間に延長されるなどの緩和措置が講じられたことが、大幅な増加予測となった。厚生労働省の調べによると、2003年度派遣社員は236万人で、このうち50代以上は約23万人。これが2010年には4-5倍に達するとして、人材派遣会社は50代以上の派遣登録者数を増やすとしている。



国家公務員に短時間勤務制度が

政府は少子化対策として2007年度にも、国家公務員に「短時間勤務制度」を導入する。現在、国家公務員については週40時間労働を規定し、短時間労働を認めていないが、例外として3歳未満の子供がいる場合、1日最長2時間まで勤務時間を短縮できる「部分休業」がある。しかし、これでは不十分として、育児中に4時間勤務を認める案が有力で、8月に人事院勧告と同時に示す報告書に盛り込まれる。4時間労働を認めた場合、給与は勤務時間に見合った額となる。



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