社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年04月19日号

日銀総裁、景気再浮揚を強調

日銀の福井総裁は、記者会見で、景気の足を引っ張ってきたIT関連の在庫が減り続け、今後、輸出や生産が増加に転じ、春以降、景気の踊り場を脱出するとの、これまでの強気の景気回復シナリオを強調した。また、不良債権処理を進める金融再生期間が3月末で終了したが、量的緩和策については、「まだ即断を許さない」として、引き続き継続する考えを示した。



市町村で国保の赤字穴埋めが増大

市町村が運営する国民健康保険の財政難が続き、自治体は国保の赤字穴埋めに一般会計から繰り入れ、その額は2003年度に3800億円にも達し、5年間で25%も増えている。国保の保険料の収納率が8年連続で悪化しているのに加え、国保加入者の平均年齢が50代前半で、医療費が膨らみやすい傾向にあることが背景にある。厚生労働省は、市町村に対し、保険料の引き上げで収入不足を補うように指導しているが、自治体は住民に負担増を求めるのは難しく、また負担増は保険料の未納が増えることを危惧し、保険料引き上げを見送っている。



経産省、会計参与の育成を促進

経済産業省は、今国会に提出された会社法案に新制度として盛り込まれた「会計参与」の育成を促進するとともに、日本商工会議所などが策定する「新会計指針」の普及に努める。会計参与制度は、公認会計士や税理士が企業の取締役とともに財務諸表の作成に関わる仕組みで、会計面で中小企業の信頼度を高められるとしている。導入は2006年度の見通しで、このため中小企業大学校に今夏から会計参与の対象となる税理士や公認会計士向けの専門の講座を新設する予定である。



米のインフレ懸念、拡がる

米紙上でインフレ懸念が拡がっている。失業率がインフレ懸念の広がる5%を越えて5.2%となったことや、生産者物価指数の上昇や個人の景気先行き懸念を示す指数も出始めている。原油価格の高騰や他の輸入価格の上昇が消費者物価にも波及しつつあり、今後、米企業の価格転嫁の動向が注目される。市場では「株安・債券安」傾向にも警戒感が出始めている。



65-74歳の医療費2割負担案が

自民党の丹羽社会保障制度調査会会長は、前期高齢者とされる65-74歳の医療費の自己負担を2割とする考えを示した。現行では、70歳以上が1割、70歳未満は3割を自己負担しているが、今後増大する70歳以上の階層のコスト意識を高め、医療費を抑制する狙いがある。医療制度改革では、75歳以上の後期高齢者が入る独立型の医療保険制度(1割自己負担)を新設し、すべての高齢者から保険料を徴収する方針が固まっている。



臓器提供は本人同意の12歳から

日本小児科学会は、脳死で臓器提供できる年齢について、現行の15歳以上から「中学に入学した12歳以上」に引き下げることを認めるとの見解をまとめた。同学会は、①学校などで死や臓器移植の教育を受け、②自由意志にもとづく同意を確認する、③虐待を受けた子供が提供者になるのを防ぐために第三者の専門医のチェックを条件とし、事前に本人が意思表示した場合に限るとしている。



複合サービス会員権トラブルが多発

旅行やブランド品の買い物が割引になるなどとうたった会員権の契約を巡るトラブルが増加している。これら会員権は、旅行・外食・ブランド品の販売など複数の分野にまたがる特典を売り物しているもので、「複合サービス会員契約」と呼ばれる。ホテルや旅行の割引を約束しておきながら予約ができなかったり、高額な延滞料の督促や退会手続き費用など不当な料金を請求されるケースが大半だが、同じ人が2度被害に遭う「2次被害」が多いことも特徴だ。



地震被害に、緊急融資制度を

みずほ銀行は損保ジャパンと提携し、地震で被害を受けた場合に緊急融資を予め企業に約束しておく制度を4月から始める。この緊急融資は、契約した企業に事前に10-50億円の融資枠を設定しておき、被災時に融資を実行する仕組みで、契約企業はみずほ銀行に手数料を支払う。手数料は融資枠によって異なるが、年間概ね100万円単位となる。



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