社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年04月12日号

市町村合併で公共料金、値上がり

内閣府は、1985年から昨年9月までに合併を終えたか、合併協議が進行している自治体を対象に、9つの公共サービス料金がどう変わるかをまとめたレポートをまとめたが、平均で値下がりしたのは「水道料金」「一般ごみ収集」のために購入するごみ袋代などの4分野で、逆に「粗大ごみ収集」「日帰りディサービス」などの5分野では値上がりした。市町村合併は、地方行革の柱ともいえるが、まだ実態は伴っていないといえる。



法的整理が進む、第3セクター

総務省の調査によると、民事再生法などの法的整理を申し立てる第3セクターや地方公社が増加している。2003年度で、前年度より8団体多い26法人が法的整理となり、今後も増加基調は続くとみられている。不良債権処理を急ぐ金融機関の意向を受け、自治体も会計処理が明確な破綻方法を選ばなくてはならないことから、法的処理が進んだとみられる。総務省の調べでは、自治体が25%以上出資する第3セクターなど8539法人のうち、03年度決算が赤字になったのは3139法人。また、債務超過額は483法人で4291億円にものぼる。



環境税導入は先送りへ

政府の地球温暖化対策推進本部は、京都議定書で定めた温暖化ガス排出削減目標を実現するための新たな目標計画案をまとめたが、焦点となっていたガソリンなどの化石燃料に課税する、いわゆる環境税については検討課題としつつ、導入の是非は明記されず、先送りとなった。政府では、06年度に環境税を導入し、税収を省エネ機器購入や住宅断熱工事の補助金に回す意向だったが、産業界の反発が大きく、導入を断念した形である。



ゆとり度は改善に向かう

日経産業消費研究所が行っている「ゆとり度調査」によると、「1年前に比べて生活は楽になったか」との問いに対し、「楽になった」から「苦しくなった」を差し引いた3月の「ゆとり度DI」はマイナス19.4となり、2月に比べて5.5ポイント改善したと発表した。3ヶ月連続の上昇(改善)で、ゆとり度は改善傾向にある。



労働保険、職権で強制加入に

厚生労働省は、全事業者に加入義務のある労働保険に加入していない事業所を強制的に加入させる「職権適用」に踏み出す。同省では、約2000人が加入促進や徴収業務に当たっているのに加え、社会保険労務士など約100人を非常勤職員として採用のうえ、指導や立ち入り検査を行うとしている。加入を拒み続けた場合、従業員20人以上の事業所を中心に、職権で加入手続きをして保険料を徴収する。さらに加入に応じない間に労災事故が発生した場合は、保険給付額を事業所に全額負担させるとしている。同省の推計では60万社が未加入とみている。



国内新車販売台数、400万台割る

日本自動車販売協会連合会は、2004年度の国内新車販売台数は、前年度比2.2%減の393万台と2年連続で減少したと発表した。「普通乗用車は増えたものの、全体のほぼ半分を占める小型乗用車が上半期の新型不足で落ち込んだ」と分析している。しかし、軽乗用車は過去最高の135万台となった。



同友会、長期金利上昇を警告

経済同友会は、財政再建を具体的に進めなければ、政府債務残高は2015年度にGDP比で2倍を突破し、長期金利は3.4%に上昇する可能性があるとの報告書をまとめた。また、同報告書は同友会が主張してきた消費税率の16%に引き上げを前提に、公共事業費を年3%、社会保障費も年1%削減することを前提に試算した結果、2015年度は財政の基礎的収支は黒字に転換し、長期金利も抑えられるとしている。



政策努力で出生率は2.0へUP

経済協力開発機構(OECD)は、日本の合計特殊出生率は政策努力によって、現状の1.3から2.0まで引き上げられることが可能とする試算を明らかにした。保育所をOECD加盟国で最も恵まれているデンマークなみにすれば出生率は0.38上昇し、また、税制優遇措置や児童手当により0.27上昇するとの試算で、「日本は政策努力によって出生率を引き上げる余地が大きい」と指摘している。



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