社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年02月22日号

10年ぶりに自己破産は減少

最高裁のまとめによると、2004年の1年間に裁判所に自己破産を申し立てた件数は21万1402件で、前年比12.7%減少となった。1994年から増加し続けてきたが、昨年は10年ぶりに前年を割り込んだ。自己破産は、リストラや倒産を背景に家計を圧迫する一方、ヤミ金融利用者による自己破産が急増していたが、景気回復傾向やヤミ金融業者の摘発が続き、多重債務者が破産を急がなくなり、減少に転じたものとみている。



財政審、5月に中期財政試算を

財政制度等審議会は、将来の増税や歳出削減を盛り込んだ中期的な財政試算を検討し、5月に意見書としてまとめる方針を打ち出した。同審議会では、政府が目標としている2010年代初頭のプライマリーバランス(基礎的財政収支)均衡の実現向け、必要な政策を具体的に提言するとしている。また、政府税制調査会とも連携する考えを示し、いよいよ本格的に消費税率引き上げ論議が、この5月答申の中期財政試算発表以降、加速しそうだ。



年金未納対策に国保の情報を活用

社会保険庁は、国民年金の未加入や未納対策の一環として、2005年度中から市町村が運営する国民健康保険の加入情報を活用していく方針である。国民年金には入らない者が、病気やケガのリスクから守るため、国民健康保険に加入し、保険料を納めているケースも多く、国保加入者から年金未加入・未納を捕捉し、徴収を図っていく考えである。ちなみに、2003年度の国保の納付率は90%に対し、国民年金は63%になっている。縦割り行政の弊害に自ら気づいた恰好の対策といえる。



5年ぶりに公務員倫理規程を改正

人事院の国家公務員倫理審査会は、民間事業者らとの付き合い方を定めた国家公務員倫理規程を5年ぶりに改正し、4月1日から施行を目指して政府に改正申し入れを行った。
今回の改正は、これまで業者らとの会食について許可制を採ってきたがこれを届出制に緩和する一方、国が補助金を出して出版する書籍の監修料の受領を禁止する規程を新設している。「過度に萎縮して民間との情報交換ができない」などとの声に配慮したものとなっている。



「夫は外、妻は家庭」は、もう古い!?

内閣府は、男女共同参画社会に関する世論調査で、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考え方について、賛成する人は45.2%にとどまり、反対とする人は48.9%にものぼり、調査開始以来25年ぶりに、反対が賛成を上回った。女性の社会進出に対する意識が確実に変わってきていると、内閣府はみている。また、「家庭の実権者は」との質問に対し、夫と答えた人が2年前の調査より7.1ポイント減少の48.5%、妻と答えた人は5.8ポイント増の22.7%だった。



住宅ローン抱える世帯は過去最高に

総務省は、2004年平均の全世帯家計調査で、住宅ローンを抱えている世帯が勤労者世帯に占める比率が35.5%と集計を開始した1979年以降で最高になったと発表した。05年の住宅ローン減税の規模縮小を控え駆け込み需要が発生したことが背景にあるとみている。住宅ローンを抱える世帯の毎月の返済額は平均10万2263円で、前年比で2.7%の増加になっている。



07年度から地方税も、電子納付

2007年度から、47都道府県と13政令指定都市はインターネットを通じて地方税を払い込む「電子納付」を導入する。自動車税や固定資産税、住民税などすべての税目で対応できるようにする。納税者の本人確認や申告、納付手続きが一体的にできるシステムを60自治体で構成される全国地方税務協議会が共同で開発することにしている。



認定農業者の増加政策へ転換

農林水産省は、全国農業協同組合中央会と全国農業会議所との合同会議を開き、将来の農業を支える「認定農業者」を現在の18万人から40万人以上に増やす方針で一致をみた。また、同省は、バラマキ批判の強い農業補助金を見直し、大規模農家に集約する仕組みを2007年度から導入する考えを示した。



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