社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年03月01日号

高卒就職内定率、70%を超える

昨年12月末現在で、就職を希望する高校生の就職内定率は73.4%と4年ぶりに70%を超えた。前年比で5.4ポイント上回っており、文部科学省は「企業業績の回復を反映し、改善傾向がみられる」としている。都道府県別に見ると、最も内定率が高かったのは、富山県の90.4%で、岐阜県(88.9%)、愛知県(88.8%)の順。逆に低かったのは、沖縄県の39.7%で、北海道(54.6%)、青森県(57.3%)の順となっており、都道府県の格差がみられる。



3月から介護保険料が1.25%に

社会保険庁は、中小企業の従業員が加入する政府管掌健康保険の介護保険料率を、現行の1.11%から1.25%に引き上げると発表した。介護保険料は社会保険庁が毎年、介護保険給付の状況に応じて改定することになっていることに基づく引き上げで、3月から年収の1.25%を労使が折半して負担することになる。



NECが10万円切るPCを発売

NECは、店頭価格が10万円を大幅に下回る低価格パソコンを発売した。ヤマダ電機などの家電量販店が独自企画で低価格パソコンを販売し人気を集めていることへの対抗策とみられている。液晶ディスプレーやAV機能などを省いたもの。商品名は「ValueOne MT」で、実売価格が7万5千円前後。ソニーもネット販売で約9万円前後、デル日本法人も約5万5千円の製品を販売するなど、メーカーと家電量販店でのパソコンの低価格販売競争が激化している。



携帯電話の出荷が約15%減少に

電子情報技術産業協会(JEITA)は、2004年の携帯電話の国内出荷台数は前年比14.9%減少し、4319万9千台にとどまったと発表した。携帯電話の加入者は8500万件に達し、市場が飽和状態にあるうえに、目立った新製品も少ないことから、買い替え需要が盛り上がらなかったと同協会はみている。今後、第2世代機から第3世代機への買い替え需要が起きると思われるが、メーカーは「出荷台数は2004年並みになる」とみている。



60歳以上は国から5600万円の受益

経済財政諮問会議の民間議員が世代別に生涯に国から受ける利益と負担を分析した内閣府試算を提示した。60歳以上の世代は差し引き5647万円の受益超過になるのに対し、30代は743万円の負担超過なることがわかった。試算は2002年時点の年齢階層別に、社会保障費だけでなく、公共投資や公共サービスも受益に含め、負担を差し引いた「純受益額」を算出している。世代間格差をみると、20歳未満の世代は負担超過額が3952万円で、60歳以上の世代とは約1億円にも迫り、社会保障制度の抜本改革が急務であることを示している。



4-6期の景気予測は「上向き」

内閣府の外郭団体である経済企画協会は、主要民間エコノミストの4-6月期の総合景気判断指数(DI)が51.5となり、判断の分かれ目となる50を上回り、今後景気が「踊り場」を脱し、再び景気の回復力を増すと予測するエコノミストが多いと発表した。



大手4行の中小向け融資は2兆円超

大手銀行4行の中小企業向け無担保融資の昨年末残高は2兆2千4百億円となり、前年同期に比べ2.3倍に大幅に増えていることがわかった。大企業の資金需要が弱いなか、中小企業は比較的利ザヤが高い中小企業向け融資に力を入れている大手行の姿勢を裏付けた。今後、大手行は地方都市への営業強化を打ち出しており、地方銀行や信用金庫などの地域金融機関とパイを奪い合う構図が繰り広げられるものと予測されている。



米貿易赤字、過去最大を更新

米商務省は、2004年の貿易赤字が前年比24.4%増の6177億ドルとなり、3年連続で、過去最大を更新していると発表した。初めて赤字額も6千億ドルを突破。原油価格の高騰や米景気の拡大で輸入が増えたことが影響している。対中国の赤字も3年連続で最大を更新しており、主要貿易相手国の景気動向や、米企業の海外事業委託といった構造的な要因も絡んで、米国の貿易赤字の縮小には時間がかかると見られている。



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