社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年03月08日号

首都直下地震被害は112兆円に

政府の中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」は、東京湾北部を震源とするマグチュード7.3の首都直下地震が起きたと想定した場合、経済被害は最悪のケースで約112兆円に達すると発表した。被害額は、04年度の政府予算の約1.4倍、GDPの2割に相当し、阪神大震災の約10倍にもなる。建物・電機などのライフラインへの直接被害、生産・サービスの停止という間接被害を盛り込んでいるが、株価や物価変動、インターネット被害などは含まれていない。



病気でも加入できる医療保険が

住友生命は、4月から、病気で通院中の患者が加入できる新型の医療保険を発売する。こうした保険商品は日本で初めて。ガンや肝硬変以外の病気であることが条件で、「過去2年間に手術・入院歴がない」「今後3ヶ月以内に入院・手術の予定がない」ことを満たせば加入できる。保険料は通常の医療保険に比べて約3割高く、50歳男性で月額1万5千円程度の保険料となる。持病が原因で入院したり、契約後にすぐ死亡しても保険金や給付金が支払われる。



ネット上で企業の情報管理を診断

経済産業省は、企業が自社の情報管理体制を自己診断できるインターネットサイトを今秋までに開設すると発表した。「情報セキュリティ対策ベンチマーク」と呼称される採点サイトで、企業が情報管理の取り組み状況に関する25の質問に答えると、自動採点される仕組みとなっている。同省は、政府調達の入札企業を評価する場合に、この診断結果を参考にするとしている。



ケータイ通販市場、急速に拡大

楽天が運営する仮想商店街「楽天市場」の携帯サイトの商品取扱高が昨年1年間で前年比約3.2倍にあたる90億円となり、ケータイ通信販売が急速に拡大している。携帯ネット通販のユーザーは女性が多く、しかも若い年齢層が多いのも特徴。売れ筋商品はファッションや化粧品・香水、健康食品などの「美」に関する分野が多い。同様にケータイ通販を展開するネットプライスでは、経産省の電子商取引調査をもとに、04年の携帯での物販市場規模を約1千8百億円、05年は2千7百億円と推計している。



基礎年金を消費税なら6.6%に相当

厚生労働省は、厚生年金など公的年金の基礎年金部分を全て消費税で賄うとすれば、2003年度は消費税の6.6%に相当するとした試算を発表した。03年度の基礎年金の給付総額は16兆円で、消費税1%で2.4兆円として計算すると、現行の国庫負担分の3分の1も含めた全額は、消費税の6.6%に当たるというもの。年金受給者の増加により給付はさらに伸び、2025年度は消費税の7.8%、2050年度は10.7%まで膨らみ続ける。



鉄鉱石が70%もの値上げ

新日本製鉄は、ブラジルの資源大手であるリオドセと、2005年度の鉄鉱石価格について前年度比71.5%もの大幅値上げで、交渉が決着したことを発表した。他の高炉4社も同水準で妥結しており、原料調達コストは業界全体で前年度より1兆円も増加し、今後、鋼材価格の上昇は必至で、自動車や船舶などの川下業界への価格転嫁は避けられない。すでに鉄鋼各社は、4月出荷分から1トン1万円以上引き上げる方針を打ち出しており、景気への影響が懸念される。



国家公務員の基本給一律5%カット

政府は、国家公務員の基本給を全国一律で5%引き下げる方針を固めた。公務員給与が民間給与の平均を上回る地域が多いため、官の水準見直しにより給与費を削減する。一律5%カットした上で、東京都や関東・甲信越などの民間給与が高い地域には新たに「地域手当」を上乗せして調整するとしている。その他の地域では、実質給与の減額となる。これまで公務員給与に関しては、能力等級制など新人事制度を盛り込んだ公務員制度改革法案の成立を目指していたが、労働組合の反発が強く、国会提出のメドも立っていない状態のなかで、できるところから着手しようとい
う政府姿勢がある。



血液1滴で病気診断が可能に

東レは、1滴の血液をたらすだけで30分以内という短時間で「がん」などの様々な病気を診断できる新型チップを大阪大と名古屋大との共同で開発した。病気になると、血液中に特有のタンパク質ができることに着目した仕組みで、患者の血液1滴チップにたらし、電流を流すなどの簡単な操作で病気診断が可能。同社では、2年以内に製品化する予定。専門的な検査が小規模な病院でも可能となる。



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