閣議決定された「05年版地方財政白書」によると、地方債など地方の債務総額が198兆2802億円に達し、過去最悪水準を更新した。債務の内訳は、地方債が約138兆円、地方交付税の財源を賄う交付税特別会計借入金約32兆円、病院などの公営企業の運営に充てる企業債が約28兆円となっている。一方、借金返済に回したり、単年度の歳入不足を補うなどしてきた積立金も14兆円を割り込み、国同様に借金依存から抜け出せない体質が浮き彫りとなっている。
社・日本臓器移植ネットワークは、今国会に提出されている臓器移植法の改正によって、移植件数は現在の4倍程度になるとの試算をまとめた。改正案は、本人が拒否の意思表示をしていなければ、家族の承諾だけで、臓器移植が可能になるというのが柱となっているが、同ネットワークでは、「コンスタントに脳死移植が行われるようになれば国民の認知度が上がり、臓器提供数がさらに増えることができ、多額の費用がかかる海外渡航移植も減る」と見ている。
政府税制調査会は、政府が主務官庁の許可制による公益法人制度が廃止され、登記だけで設立できる「非営利法人」に衣替えする方針を打ち出したのに伴い、どのような税制上の優遇措置を認めるかについての検討に着手した。2006年の通常国会に提出される非営利法人の創設を盛り込んだ民法改正案に対応したもので、税制の優遇措置をだれが認めて、個人や法人が公益性の高い非営利法人に寄付した場合の所得税や法人税をどの程度軽減するかが焦点となる。政府税調は、06年度改正に盛り込む方針。
内閣府の少年非行に関する調査結果によると、喫煙などの不良行為をしている少年を見つけた場合、きちんと注意するという大人は11.5%、そして注意したいが見て見ぬふりをする人が54%と、少年非行にできるだけ関わりたくないという意識が強まっている実情が浮き彫りとなった。見て見ぬふりをする理由として、78%もの人が「暴力を振るわれる恐れがある」と回答した。注意する人は高齢者ほど多く、また、大都市ほど少ない傾向だった。
久留米医科大学の内村教授は、不眠の悩みを経験した人は、経験していない人に比べて、生活習慣病を患っている割合が高いとする調査結果をまとめた。生活習慣病は、高血圧症・高脂血症・糖尿病の3つで、不眠で悩んだ経験のある人の56.2%が生活習慣病を患っていた。一方、不眠経験のない人の生活習慣病有病率は48.1%という結果になった。同教授は「生活習慣病と不眠は双方に影響しあっている。どちらかの症状がある人はもう一方の症状を悪化させる可能性もあるので、早めに治療を受けて欲しい」と話している。
日本郵政公社は、初めて郵便局ごとの収支を発表したが、これによると、全国の郵便局のうち14%が03年度に赤字だったことがわかった。この試算は、郵便・郵便貯金・簡易保険の郵政三事業の収益と費用を各郵便局ごとの人員や取扱量に応じて配分算出したもので、全国の2万247局のうち、2870局が赤字となっている。郵便事業だけでみると、1万9千局近くが赤字で、郵貯や簡保の利益でカバーされている実情となった。
国土交通省が実施したアンケートによると、「都会に住みながら年に1―3ヶ月は地方で暮らす《二地域居住人口》」が約100万人に達していることが推計でわかった。インターネットを使ったアンケートで、現在《二地域居住》をしているとの回答は2.5%あり、資金や時間などの制約が解決され「将来行いたい」は51.5%にも上った。同省では、「これから人口が減るなかで、地域社会を維持するためには、こうした暮らし方ができるような社会の構築」が必要と指摘している。
国土交通省は、地球温暖化対策の一環として、鉄道貨物輸送に積極的な商品を認定する「エコレールマーク」制度を4月からスタートさせる。新制度は、500キロメートル以上の長距離輸送で鉄道を利用する商品や企業に鉄道をかたどったマークの使用を認め、消費者の選別の一助にしようというもの。第一弾として、花王やキャノンなど数社を認定し、年内には100社程度を目標に選定作業をするとしている。