社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年02月15日号

社会保険庁は廃止、新組織で

組織的な公金還流や不祥事が相次ぐ社会保険庁の在り方に関する有識者会議は、社会保険庁の存続を前提せず、社会保険業務を行なう新組織設立の検討に入ることを決め、実質、社保庁は廃止・解体される方針が固まった。厚生労働相は「大胆な改革案を」と要請し、同会議では今年3月中に、新組織の骨格をまとめることにしている。



08年度末の国債残高は625兆円に

財務省は、08年度までの財政状況の中期試算で、08年度末の国債残高は、国債の元利利払いや社会保障費の増大に伴う新規の国債発行が増え続けることで、625兆1千7百億円に達すると発表した。このペースで、将来も一般歳出や国債費の増加での新規国債発行を続ければ、18年度末の国債残高は約917兆円にのぼり、天文学的な数字に膨れ上がる。試算では、定率減税廃止、消費税率引き上げなどの増税や歳出削減を織り込んではいない。



1人当りの福利厚生費が月10万円超に

日本経団連の福利厚生費調査によると、主要企業714社が2003年度に負担した福利厚生費は、過去最高の社員1人当たり月10万811円となり、初めて10万円を突破した。社会保険料の「総報酬制」が03年4月から導入され、保険料が引き上がったことが影響したものとみられる。現金給与総額に締める割合も17.8%となった。福利厚生費の内訳は、年金などの法律定められた法定福利費が6.3%増の7万2853円、住宅補助等の法定外費用は2万7958円でほぼ横ばい状態となっている。



労働力人口は6年連続して減少

総務省は、2004年の労働力人口は6642万人で、6年連続で減少しているとの労働力調査結果を発表した。労働力人口は、働いている人と職探し中の失業者の合計人口で、労働力人口の減少を同省では、高齢化に加え、ニートと呼ばれる「働く意欲を示さない若者」の増加が影響しているとみている。現に、定年退職で労働市場から退出する65歳以上の高齢者労働力率は前年比0.7ポイント低下しているのに対し、15歳-24歳の若年男性の労働力率は前年比1.2ポイント下がり、低下が際立っている。



昨年の日本の平均気温は史上2位

気象庁の分析によると、昨年1年間の日本の平均気温は平年を1.01度上回り、史上1番目だった1990年に次ぐ、史上2番目の高さとなった。また、世界全体でみても、平年より0.45度高く、昨年は史上4番目の高さだった。同庁では、「二酸化炭素などの温暖化ガス濃度が増したことによる地球温暖化など影響している」とみている。



今春の賃上げは1.7%と労使が予測

労務行政研究所の調査によると、今春の賃上げについて労使双方の幹部は景気回復を背景に、前年の賃上げ結果を0.03ポイント上回る1.7%なるとの見通し結果となった。この調査は、労組委員長や労務担当役員、さらには学識経験者を対象にしたもの。予想賃上げ額は5,476円で、労使とも賃上げ額については大きな差異はなく、ほぼ同じ見通しを持っている。賃上げ以外の課題については、①不払い残業の撲滅、②60歳以上の雇用延長、③メンタルヘルス対策(心の健康)の順で関心が寄せられている。



国民年金保険料収納改善みられず

村瀬社会保険庁長官は参院予算委員会での答弁で、今年度の国民年金保険料収入は1兆9千6百億円にとどまり、予算を2千6百億円下回るとの見通しを示した。納付率は昨年4-11月期分で47.3%と前年同期から0.11ポイントの改善にとどまり、ほぼ横ばい状態。国民の年金不信が根強く、本年4月からの保険料引き上げにより、徴収は一段と厳しくなるとみている。一方、会社員が加入する厚生年金は、予算より5千億円不足の見通し。



オール電化の家は100万世帯に

電力各社のまとめによると、調理から風呂の給湯などの家庭で使用する熱源を全て電気でまかなう「オール電化住宅」は、昨年末時点で109万6千戸と100世帯を超えた。前年より約30%増と増加傾向にあり、電力各社は銀行などとタイアップし、オール電化住宅の新築やリフォームを対象とした低利ローンを取り扱い、需要の掘り起こしをしていく考えだ。



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