社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2005年01月25日号

中小建設業の業態転換を支援

厚生労働省と国土交通省は、公共事業の削減などの受注減で苦しむ地方の中小建設業の業態転換や雇用の流動化を促進する上から、現行法では認められていない建設労働者の派遣を限定的に解禁するとともに、各都道府県に支援センターを設け、新分野への進出を後押し方針である。建設労働者の派遣については、地域の建設業団体が、地域内で融通する人数や期間、職種を決めた派遣計画を策定し厚生相が認定するもので、一般の派遣業者による労働者派遣は認められない。



04年の企業倒産、過去10年間で最少

民間調査会社の帝国データバンクは、04年の年間企業倒産(負債1千万円以上)の件数が前年比約15%減の1万4千件弱になるとの見通しを発表した。企業倒産件数は02年の1万9458件をピークに、以後、年15%程度の減少を続け、1994年以来10年ぶりに1万4千件を割り込む。景気回復や収益構造の改善があるとしている。負債総額も8年ぶりに10兆円を下回るとしている。しかし、今後、地域金融機関の不良債権処理が進むため、05年の倒産件数は増加に転じると、同社ではみている。



業績改善で就職内定率に伸び傾向

厚生労働省と文部科学省の調査差によると、今春卒業予定の大卒の就職内定率は前年比0.7ポイント上昇し74.3%、高卒は6.3ポイント増の67.7%とそれぞれ改善傾向が見られている。しかし、地域間格差が顕著で、大卒では、中国・四国・中部では平均で前年比4.3ポイント増加が見られるものの、東北・北海道では4.9ポイント減となっている。厚労省は「業績回復と団塊世代の定年退職期を迎え若年者雇用に積極的な姿勢が見えるものの、大都市と地方との格差や、企業が求める能力を重視した厳選した採用傾向がある」としている。



7割が「年金があてにならない」

日本経済新聞社が行なった「年金に関する意識調査」結果によると、昨年成立した年金制度改革法だが、7割以上の人が「年金があてにならない」と不信感を露にした。また、年金受給世代の60代70代の65%が「年金だけでは暮らせない」と感じ、現役世代の40代50代では51%が「年金だけでは生活費はまかなえない」と予測している。



労災保険料、サービス業を細分化

労災保険料率の見直しについて検討していた厚生労働省の検討会は、業種区分の細分化し、業種ごとの過去3年間の災害率などを計算して、新たな料率を設定するとの報告書をまとめた。労災保険は現在51業種の区分し、企業は総賃金の0.5~12.9%の保険料を負担しているが、負担が最も少ない0.5%が適用されている「その他各種業種」を細分化し、新たな料率の負担を求める。06年4月に予定している3年毎の改定に反映する方針である。



4大銀行、中小への融資に積極姿勢

みずほファイナンシャルグループなど4大銀行は、中小企業や海外向けを中心に04年度下期に融資残高2-3兆円程度増やす方針。企業の合併・買収(M&A)に伴う資金需要を掘り起こすなど新分野の融資、拠点や人員増加といった積極策に転じる。4大銀行など大手銀行の融資残高は98年初めに340兆円あったが、不良債権処理が進み、04年12月末には4割減の210兆円と、不良債権処理にメドがついたことが積極策への転向とみられる。



介護認定は市町村に限定

厚生労働省は、介護保険制度の改革の一環として、06年度から、要介護認定の調査を原則として市町村に限定する。これまで民間業者や社会福祉法人への委託は、利用を増やすために甘い認定をするとの指摘や問題が多い事から市町村に限定される。また、要介護認定への申込みも高齢者自身か家族に限定し、民間業者の代行を認めないようにする。今回の措置は、膨張する給付による保険財政の悪化懸念もあるようだ。原則、市町村認定だが、高齢者が多く市町村の調査員が不足している地域では民間委託を認める方針だ。



経産省、文書電子化保存に指針

経済産業省は、4月に施行される、紙による保存が義務付けられている文書を電子データで保存することを認める法律(通称「eー文書法」)の企業向け指針をまとめた。医療と税務関係のように厳密な保管をもとめるものと、商法上の会計書類のように規制を緩やかにするものを区別するよう指摘し、保存義務に格差を付けるように促している。また、約250の法律がかかわるeー文書法については、各省庁が所管する業界や行政の分野に応じ、来年4月までにそれぞれ政省令を定めるとした。



トップへ