社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年02月01日号

国保収納率、過去最悪の90.2%

厚生労働省は、2003年度の国民健康保険料の収納率が90.2%と過去最悪を更新するとともに、実質赤字も3800億円にも上ると発表した。国保加入者は4600万人になるが、収納率は町村部平均で93.7%に達するものの、市部平均は86.9%と、都市部での収納が悪化している。景気低迷での納付に負担感があるほか、病院にかからないとすると考え、未納を続ける若い世代が増えているとみている。国保は市町村が運営しているが、全体の73%にあたる2289市町村が単年度の収支が赤字に陥っている。



貯蓄率低下に下げ止まりか?!

内閣府は、2003年度の家計貯蓄率が前年度に比べ0.5ポイント上昇し、7.7%になったと発表した。貯蓄率は、1990年代以降、低下し続け、01年度は過去最低の6.7%を記録したが、低下傾向に下げ止まりが見られた。貯蓄率は、家計の収入から支出が義務付けられている税金などを差し引いた可処分所得のうち、貯蓄に振り向けられる割合を示しているが、サラリーマン給与や企業の利益を合計した名目国民所得が3年ぶりに前年比1.8%増となったことが反映されているものとみられる。また、将来不安から消費を差し控え、貯蓄性向へと向かう消費者態度もあるとみられる。



偽造札対策で新紙幣の全量発行へ

日銀は偽造旧1万円札対策として、日銀券(お札)の発行を5千円札・千円札を含めた全てを新札に切り替えると発表した。偽造されている旧1万円札を早期回収するため、当初、2006年春に全量入れ替えを目標としてきたが、これを半年以上早める。日銀は、休日出勤などで印刷量を増やすことで全量発行を前倒し対応する。



母子世帯数、過去最多に達する

厚生労働省は、2003年時点での母子世帯数が約122万5千世帯に上り、過去最多になったと発表した。ほぼ5年に1度実施している「全国母子世帯等調査」で、前回調査の1998年に比べて28.3%と増えた。母子世帯になった理由のトップは「離婚」で、全体の79.9%で、前回調査よりも31万世帯増の約98万世帯となった。母子世帯の平均年収は、前回調査よりも17万円減の212万円で、厳しい経済状況がある。



郵政新会社間取引に消費税減免か

政府は、2007年に郵政民営化で設立される新会社間の取引に対して、消費税を減免する方針で検討している。民営化で日本郵政公社は持ち株会社の下に、郵便局管理会社・郵便・郵貯・簡保の4社に分割され、郵便局に郵便・郵貯・簡保それぞれ業務を委託し、手数料が支払われる仕組みとなる。その際の取引には約1千億円規模と推定される消費税について、消費税相当分を郵便局利用者に転嫁するのは難しいとの立場から減免を講じようとするもの。併せて、発足したばかりの新会社の収益が納税で圧迫し、経営難に陥るのを回避するための優遇措置ともみられるが、民間企業からの反発が見込まれる。



年央には踊り場を脱し、景気上向きへ

政府と日銀は、今後の景気見通しについて「春以降、IT(情報技術)関連財の調整が一巡」し、回復を続け、年央には景気が踊り場を脱し、上向くとの見通しを示した。また、昨年10月にまとめた「経済・物価情勢の展望」に盛り込んだ、「消費者物価が05年度に8年ぶりにプラスに転じる」との予測を堅持した。ただ、「為替レートの動向に留意する必要がある」として、円高への先行き警戒感を示した。



喫煙中高年男性に自殺リスク高く

厚生労働省研究班は、中高年男性でタバコを吸う本数が多いほど自殺の危険性が高いとの調査結果をまとめた。同班は、1990年と93年に岩手県など8県の40-69歳の男性約4万5千人を対象に喫煙の有無を調査したが、このうち173人が自殺した。1日20本未満の人に比べ40本以上の人が自殺する危険性は7割高く、30-40本未満の人では同じく4割高かった。喫煙と自殺の因果関係は不明だが、同班では「禁煙で自殺が減るかは検討課題」としながらも「喫煙者の心の健康に注意が必要」と話している。



健診や検査基準を統一へ

政府は、自治体や企業など実施主体ごとに決めている健康診断基準を統一する一方、病院などで異なる血液や尿などの検査方法の統一を図っていくにした。これは、受診者が病院を変更した場合に、改めて再検査を不要にして、受診者の経済的負担と医療保険財政負担の軽減を目指そうというもの。



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