社会・経済のうごき@しんぶん
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2005年01月18日号

家計の預貯金残高が初の減少へ

日銀の資金循環統計によると、昨年9月末時点での家計の預金残高は736兆6千億円で、前年同月比0.03%減となった。統計を開始した1964年以来初めて前年水準を割り込んだ。長引く低金利を嫌い、4月からのペイオフ制度の全面解禁を前に、資産の運用先を安全で比較的有利な国債にシフトさせていると見られている。また、老後不安が介護保険制度の定着により、不安が後退し、高齢者の預貯金取り崩しも背景にある。「預貯金偏重」から資産運用先として国債や投資信託などの金融商品への移行が進むと見られている。



中国、人口13億人を突破

中国政府は、人口が13億人を突破したと発表した。89年に11億人に達し、6年後の95年には12億人を突破したが、人口抑制政策「一人っ子政策」が奏功し、13億人に達するまで約10年をかかり、人口増加が鈍化した。中国科学院国情分析チームは、食糧生産を考慮すると、中国が対応可能な人口の上限は16億人で、最適な人口規模は7億人としており、今後も人口抑制策を続ける方針。国連の予測では、2030年に14億5100万人でピークを迎え、以後、減少に転じるとしている。



百貨店売上げ、16年ぶり8兆円割れ

日本百貨店協会は、04年1-11月の百貨店の売上高は前年同期比2.9%減の6兆9642億円となり、年間売上高が16年ぶりに8兆円割れとが必至となった。前年割れは7年連続で、06年にはコンビニエンスストアの売上高が抜かれることが予測されている。個人消費の伸び悩みに加えて、大型ショッピングセンターに顧客を奪われたことによると見られている。



携帯、充電せずに1-2ヶ月使用に

科学技術振興機構と理化学研究所との共同研究により、現在の半導体に比べ、大幅に少ない電力で済む新しいコンピュータの基本素子が開発された。充電せずに、1-2ヶ月使える携帯電話機やノートパソコンなどにつながる可能性があり、5年後の実用化を目指すとしている。



在日米軍経費負担、250億円削減

政府は、在日米軍駐留経費負担のうち、基地で使う光熱水料の日本側の負担を全廃する方針で、日米特別協定の改定交渉に臨むことをあきらかにした。05年度予算では基地従業員の労務費1138億円や光熱水料249億円など総額1391億円を計上していた。米側の反発は必至で、在日米軍再編問題と絡んで難航が予想される。



NPO寄付、30%に控除を拡大へ

政府は、05年度から非営利組織(NPO)への寄付する個人の所得控除額を現在の25%から30%に拡大する。また、寄付者の所得税が軽減される認定NPO法人が26法人にとどまっていることから、認定NPO法人の要件を緩和する。いずれも、新たな公共サービスの担い手として注目されるNPOや公益法人の活動を支援する狙いがある。



金融機関の国債保有は503兆円

日銀は、04年9月末時点での金融機関の国債保有残高は503兆円になると発表した。587兆円国債発行残高の殆どを金融機関が保有していることになる。前年同期比6.1%増だが、民金の銀行の保有が前年比20.7%と突出している。過去にない水準に膨らんでいる実態に「国債価格の下落(長期金利上昇)の局面になれば金融機関に含み損が生じかねない」とのリスクを懸念の声がある。



地銀、地方債引き受け割合を減少へ

地域金融機関は、自治体の借金である地方債の引き受けを減少させる傾向にある。総務省がまとめた05年度の地方債計画によると、銀行引き受け分は前年度比約1兆1千億円減となっている。これまで自治体との関係を重視してきた地域金融機関の経営体力の低下があり、経営改善を急ぐ上での取引見直しが底流にある。財政の健全度をアピールできない自治体にとって資金確保が揺らぐ懸念がある。



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