財務省は政府債務残高が2004年9月末で730兆9800億円になったと発表する一方、総務省は都道府県と市町村を併せた地方の借入金の残高が2003年度末で198兆2802億円と発表、いずれもが過去最悪を更新するという厳しい財政事情に歯止めがかからないことを伝えている。国の借金残高は国内総生産(GDP)の約1.4倍、税収の約16年分に相当する。増え続ける社会保障費や国債の元利払費に対処する借り換えの循環から脱せられない状況では、早晩、個人総資産額を上回ることは必至である。
総務省は、地方自治体が全額出資して設立した土地開発公社が未利用で5年以上保有する、いわゆる「塩漬け土地」を、自治体に5年間の処分計画を立てさせ、自治体の買取りや民間への売却により処分させる方針である。5年以上保有し未利用の土地の簿価は約4兆円に及び、自治体の隠れた不良債権になっており、これを解消しつつ、周辺土地利用の活性化による景気刺激策も狙っているようだ。
中小企業庁は、新たな中小企業支援の一環として、新事業への進出を促進するうえから、異業種で共同事業を立ち上げる際に、補助金や税制での優遇措置が活用できる施策を講じる。新法は現在の「中小企業経営革新法」を大幅に改正した「中小企業新事業活動促進法」(仮称)で、異業種企業が共同で立ち上げる事業に対し、立ち上げに必要な資金の3分の2を補助金交付するとともに、設備投資などへの減税を考慮している。また、共同事業に対し政府系金融機関からの低利融資も想定し、本年4月からの施行を目指している。
社会経済生産性本部が入社から半年以上経過した新入社員を対象にした意識調査で、その81.2%もが「それなりの理由があれば転職は仕方がない」と転職を容認する回答を寄せた。前年同期比6.7ポイント上回り、転職は当たり前の時代になってきている。
佐川急便は、韓国で日用品・食品事業を行っているCJグループ傘下の物流会社に50%出資し、本年1月から佐川急便ブランドで宅配便事業をスタートさせる。同社は2003年に中国で宅配事業を始め、台湾でも2005年度中にも展開することを計画しており、中韓台の宅配網を構築する構えで、東アジアの小口配送のシェアを確保する方針だ。
厚生労働省は、2001年に生まれた子供を対象にした「21世紀出生児銃弾調査」を行ったが、2歳半の子供の14%は習い事をし、その35%の母親は職に就いているとの家庭傾向が明らかになった。習い事は、幼児教育が34%で最も多く、次いで英語・水泳・音楽の順となっている。子育てについては、「成長の喜びがある」(99%)との一方で、「自由な時間がない」(86.2%)との負担感もある。
総務省は、家庭の電源コンセントにパソコンや家電のプラグをつなぐだけで、高速インターネットに接続できる「電力線通信」を2006年にも解禁する方針である。これは本格的なユビキタス社会実現に向けた対応が底流にあり、ネットを通じてエアコンや冷蔵庫などを出先などからの遠隔操作を可能にするもの。当面は、屋内配線にとどめ、最終的には全国の電線網にまで利用を認める。光ファイバーと並ぶ通信手段として通信業界の競争を促しつつ、利用料金引き下げ効果も期待されている。
電子情報技術産業協会(JEITA)は、パソコンが落ち込むものの、液晶パネルが引き続き好調で、全体的には2.9%増と堅調に推移するとの2005年国内の電子工業の生産見通しを発表した。これによると、テレビ・デジカメなどの民生用電子機器は13.8%増、液晶パネルなどの電子部品・デバイスは3.3%増と伸びる一方、パソコンなどの産業用電子機器は1.4%減になると予測している。