日銀の福井総裁は、日銀が保有している長期国債が金利1%上昇すると、1.4兆円の含み損が発生することを明らかにした。現在、日銀は金融緩和の手段として、民間金融機関などの市場から毎月1兆2千億円の長期国債を買い入れ(買い切りオペレーション)を行っており、国債が暴落して日銀の財務内容が悪化する懸念されていることに答えたもので、「資本充実や引当金の積み増しで健全性確保に配慮している」とも述べた。
厚生労働省は、来年1月に通常国会に上程する時短促進法を「労働時間等設定改善法」(仮称)に改正するとともに、これまで年間平均労働時間を1800時間とする政府目標を廃止する方針を示した。1800時間の廃止は、働き方の多様化で実態にそぐわないとして労使が一致した考え方で、改正法では、事業所ごとの体制の整備、長時間勤務の社員の健康管理、育児・介護・自己啓発など社員のニーズに合わせた労働時間の設定など項目ごとに指針を示すとしている。ちなみに、昨年度の年間平均労働時間は1853時間となっている。
社員研修受託のビジコム・ジャパンは、来年年初から新入社員の携帯電話に英語やビジネスマナーなどの問題と解説を配信する新しいシステムの社員研修をスタートさせる。社員のすき間の時間を有効活用しつつ、手軽に学習できるようにすることでスキルアップを図ろうというもの。配信された問題を回答すると、1問ごとに解説画面に切り替わり、間違えると次のステップに進めないように工夫されている。また、企業の人事担当者は社員の学習進捗状況が把握できるようになっている。
日産時当社は、10月に発売した高級セダン「フーガ」の受注台数が当初目標の5倍に当たる10,119台を受注したと発表。日産は他の新型車も当初予定を上回る受注で低迷していた国内販売は新車投入効果で回復基調にある。
厚生労働省は、「痴呆」という言葉の軽蔑感を排除する上から、新しい呼称を検討してきたが、一般からの意見聴取や学識経験者の議論を踏まえ、「認知症」にすることで合意した。同省は来年の通常国会で、介護保険法などの関係法令の「痴呆」の記載を変更するとともに、新呼称を一般への普及に努めるとしている。
社会経済生産性本部は、2002年の労働生産性(就業者1人当たりの付加価値)は、5万4264ドル(792万円)であると発表した。経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国の中で、日本は前年と変わらない第18位で、先進7カ国では最下位となり、生産性の改善は進んでいない。1位はルクセンブルクで7万6573ドル、次いで米国が7万5417ドルとなっており、日本と大きな格差を見せつけている。
介護保険の抜本見直しにあたって、厚生労働省が当初提起した「介護保険料を20代以上に拡大し、その一方で65歳未満の障害者に保険給付する」とした案について、見送られる見通しとなった。こうした見送りの背景には、保険料拡大には、企業負担の増加を理由とした反対が根強く、障害者への給付には介護保険制度という趣旨になじむかとの意見がある。同省では、保険料負担を20代から35歳以上する案も出ている。
内閣府は、地域経済動向を分析した「地域の経済2004」を発表したが、地方公務員の給与水準が民間企業よりも高いとの結果が出た。都道府県職員の平均給与と各地域の従業員1000人以上のサービス業でのデータ比較だが、公務員給与は最高が47.2万円、最少が35.6万円だったのに対し、民間は最高が42.9万円、最少が25.8万円だった。同調査書では、「地域の企業や個人を支援するための官の効率化が遅れている」と指摘している。