社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2004年11月23日号

2002年1月が景気の『谷』と確定

内閣府は、これまで暫定的に2002年1月を景気が後退局面から拡大局面に転換の時点、いわゆる「景気の谷」としてきたが、有識者で構成する『契機動向指数研究会』を開催し、正式に確定した。併せて、景気がピークとなった「契機の山」については、2000年10月としていた暫定的時点を1ヵ月後の2000年11月とした。



中国の貿易額は世界第3位に

中国商務省は、2004年の貿易総額が、昨年の8500億ドルから一気に約30%も増加した1兆1千億ドルに達し、日本を抜き去り、米国、ドイツに次いで世界第3位となる可能性が高いとする報告を発表した。来年は世界経済に不確定要素が多いことや貿易摩擦も懸念されるとして、中国の貿易額は15%程度にとどまるとの見方をしている。



430億円もの税金の無駄を指摘

会計検査院がまとめた2003年度の決算検査報告書によると、税金の無駄遣いや不正支出として指摘されたのは305件で430億1218万円にものぼることがわかった。報告書の掲載基準が現行と同一になった1978年以降、過去2番目の金額規模となった。省庁別にみると、厚生労働省が約160億円で15年連続のワースト1で、農水省(約97億円)、総務省(約58億円)と続く。無駄遣いが約367億円で、税金や社会保険料の徴収漏れが約63億円などとなっている。



来年度から定率減税を2段階で廃止

政府税制調査会は、来年度税制改正答申に1999年から実施してきている定率減税を廃止することを明記し、廃止にあたっては、初年度の来年度は減税率の半分の10%程度に圧縮し、2006年度は全廃とするという、2年間での段階的廃止を行うとした。しかし、定率減税は景気対策として施行されたもので、廃止に当たっては景気回復が前提となる筋合いの意味を持ち、政治問題化や景気への冷や水効果などの懸念もあり、減税廃止は微妙といえる。



定率減税廃止で成長率は0.2%減

定率減税の縮小・廃止が景気に対しての影響が懸念される中、民間シンクタンク機関の試算によると、2年間かけて縮小・廃止となった場合、2006年度の実質経済成長率は約0.2ポイント、07年度は約0.4ポイント押し下げるとの見通しを示した。さらに来年度に全廃ともなれば、06年度は0.39ポイント、07年度が0.49ポイントの押し下げ効果があり、2年かけての縮小・全廃よりも影響が大きいものとなる。



就職内定率が改善も、なお厳しさ

厚生労働省と文部科学省の調査によると、来春卒業予定の就職内定率は、10月1日現在、大学生で61.3%(前年同期比1.8ポイント増)、高校生で38.9%(同4.4ポイント増)で、それぞれ改善が見られたものの、大卒内定率は過去最低だった昨年に次ぐ過去2番目の低水準で、依然として厳しい状況にある。大卒内定率を地域別にみると、近畿が65.6%(前年同期比3.8ポイント増)、中部が60.3%(2.8ポイント増)で上昇が目立つ反面、北海道・東北は55.5%(2.0%減)、九州が49.0%(1.9ポイント減)と落ち込み、地域間格差が広がった。



財政審が歳出3割削減を提言

財政制度等審議会は、財政健全化に向けて、歳出削減と増税を並行して実施すべきとの方針を掲げ、来年度予算編成への意見書を11月までにまとめる。同審議会の議論の焦点は、財政健全化に向けたロードマップ(道筋)づくりで、10年後、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を均衡させるためには、増税せずに赤字を補うためには30%以上の歳出削減するか、または消費税だけで補うとすれば税率を21%まで引き上げなければ達成できないとの見解を示した上で、歳出削減と増税を並行して進めるとの議論の大勢を示した。



経常黒字は過去最高を更新

財務省は、2004年度上半期の国際収支速報によると、経常収支の黒字額9兆3600億円に達し、前年同期比で12.9%増の大幅増となると発表した。内外の好調な景気を反映し、輸出額(約29兆円)と輸入額(約21兆円)も過去最高を記録した。輸出は中国やアジア向けが好調で貿易黒字が膨らんだ格好だ。



トップへ