社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2004年11月02日号

景気改善の兆し?!企業資産拡大

財務省の法人企業統計によると、4-6月期の全産業の資産合計額は1244兆4千億円で、前年同期比で3.4%の増加となった。1-3月期は同0.1%増となっており、2期連続で資産増加傾向となっている。これまで、土地や株などの資産や借入金の圧縮に取り組んできた企業が、一転して新規の設備投資に姿勢を転換したものとみられ、「攻め」に転じたものと見られている。しかしながら、建設や小売業では、依然として資産売却によって負債を減らす動きが見られている。



日銀総裁が財政再建で4原則を提示

福井日銀総裁は、財政制度等審議会に日銀総裁として初めて出席し、「日本経済がより強いダイナミズムを発揮するために財政をしっかり改善しなければならない」と、わが国の財政再建の必要性を訴え、財政健全化のための4原則を政府に求めた。4原則は、①透明性を確保し財政再建への信任を確保する、②規制緩和などにより民間活力を引き出し経済の潜在力を高め税収を増やす、③財政再建だけを先行するのではなく経済活性化と同時に進める、④海外や個人のなどの国債保有者を多様化させる、ことが重要とした。



利用者負担で、介護保険料を抑制へ

厚生労働省は、介護保険料の急激な上昇を抑制するため、症状の悪化を防ぐ介護予防サービスを新たに導入するとともに、現在その殆どを保険で給付している老人ホームなどの居住費と食費を施設入所者から全額徴収する、という見直し案をまとめた。給付費は現在の年5兆5千億円から2012-14年度には年10兆6千億円まで膨らみ、3年ごとに改定する保険料も2006年の4300円から2012年には6千円弱になると試算され、保険料の圧縮が議論されてきていた。施設入所者の負担は現行の2万8千円から3万円増加の5万8千円程度になる見込み。



日本の人口、初めて減少へ

総務省は、今年5月1日時点での日本の総人口が前年同期より5万人減の約1億2756万人であることが推計人口で分かった。前年同期比がマイナスになったのは、1950年の調査開始から初めてのこと。



税収のGDP対比、日本は27位に

経済協力開発機構(OECD)は、加盟国30カ国を対象にした「最近の税制と改革」と題する報告書の中で、各国の国内総生産(GDP)に対する税収(国税、社会保険料を含む)は、日本は25.8%で27位であることがわかった。GDPに対する税収は国の経済規模に対して、政府がどれだけ税金を集めているかを示すもの。OECDの平均は、約36%で、OECD日本代表部は「日本の課税ベースが低いことを示すもの」としており、今後の消費税率引き上げ論議で引き合いとされる数値とみられる。



4年分に雇用が過剰から不足に

国民生活金融公庫は、従業員30人未満の小企業を対象とした調査で、小企業の雇用が4年ぶりに「過剰」から「不足」に転じたと発表した。従業員の過不足DI(「不足」と答えた企業の割合から「過剰」と答えた企業の割合を引いた値)は2.8で、前年調査のマイナス2.6から上昇した。同公庫では「景気回復が小企業に及んできた」としている。



喫煙率は過去最低の29.4%に

日本たばこ産業は、成人で喫煙している人の割合は29.4%となり、初めて3割を割り込んだと「全国たばこ喫煙者率調査」結果をまとめた。喫煙する男性は13年連続で減少し続け46.9%となった。女性は、ほぼ横ばい傾向で13.2%となっている。地域別にみると、北海道・東北での喫煙率が高く、中国・四国・九州が低い、「東高西低」傾向となっている。



1ミリ以下のガンも発見する装置が

理化学研究所は、特殊な光を利用してガンを診断するための装置を開発した。内視鏡に組み込み分子レベルでガン細胞の様子が分かるため、1ミリ以下の超早期ガンも発見でき、3年後をめどに試作機を完成させる予定である。装置はレーザー光をガン細胞に照射した時に発生する「ラマン散乱光」という特殊な光を検出、分析することで診断する仕組みとなっている。



トップへ