社会・経済のうごき@しんぶん
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2004年09月21日号

国家公務員共済、支給増で赤字に

国家公務員の公的年金制度である国家公務員共済の積立金を時価評価した収支について公開したが、これによると、2000年度は1975億円の黒字だったものの、2001年度は157億円、2002年度は84億円、とそれぞれ赤字だったことが判明した。運用益の低迷、給与引き下げによる保険料の伸び悩み、高齢化による支給額の増加が原因となっている。厚生年金も2002年度は2兆5333億円の赤字、国民年金も2753億円の赤字となっており、年金財政は悪化傾向にある。国家公務員共済では5年毎の見直しにより、この10月から保険料を引き上げるが、保険料の半額は税金負担となっており、国民への負担が増す構造にある。



10月から郵便小包に割引制度を新設

日本郵政公社省は、10月から郵便小包(郵パック)の個人向け割引制度として、前回の宛先に荷物を送る際の『同一宛先割引』と、同じ宛先に複数の荷物を送る『複数口割引』の2制度を設けて料金を安くする。競合しているヤマト運輸からは、「法人税の免除を受けながらの割引料金の設定は不公正」として民業圧迫と主張している。



「痴呆」に代わる用語の6案を提示

厚生労働省は、「痴呆」という呼称の見直しを進めている同省の検討会で、短く分かりやすく、不快感や侮蔑を与えず、「痴呆」と同じ概念を持つものとして、代替となる用語を6案提示した。①認知症、②認知障害、③もの忘れ症、④記憶症、⑤記憶障害、⑥アルツハイマーの6案で、同省のホームページ上で、今回提示以外の新用語も募集しつつ、11月末までに決定する方針だ。



PC等使用で社員の8割が身体疲労

厚生労働省の「2003年技術革新と労働に関する実態調査」によると、仕事上でパソコンや携帯情報端末機を使うことで78%の人が身体的疲労を感じていることが分かった。症状では、「目の疲れ・痛み」が91.6%でトップ。また、精神的な疲労やストレスを感じている人は34.8%にのぼっており、同省では、休憩の組み込みや眼科検診を企業に求める指針を定めているが、指針に沿った対策を講じていない企業は9割近くに達し、改めて指針の徹底を求める方針だ。



全業種で人手不足感、7年前水準に

厚生労働省の8月の「労働経済動向調査」によると、正社員などの常用労働者が「足りない」と答えた企業の割合から「余っている」と答えた企業の割合を差し引いた「労働者の過不足判断指数(DI)」は、プラス8で、1997年11月依頼の高水準となり、ほぼ全業種で人手不足感があり、景気回復を裏付けた。ただ、人手不足の補充については、正社員ではなく、派遣社員の雇用が目立ち、景気への警戒感ものぞかせている。



7.8万人が生前贈与制度を利用

財務省は、生前贈与で払った贈与税を遺産相続時の相続税から差し引くことができる「相続時清算課税制度」を2003年の確定申告として利用した人は7万8千人で、親から子への試算移転額が約1兆2千億円に達したと発表した。利用者は贈与税申告の18%を占め、住宅取得目的の移転が3分の1を占めた。財務省では、「新制度が住宅取得など消費意欲旺盛な若い世代にへの試算移転を後押しした」と見ている。



保険業界に個人情報流出で再警告

金融庁は、保険会社85社に対して、相次いだ個人情報流出問題を受け、個人情報の流出防止に向け、対策を検討するよう指示した。同庁は、本年3月と6月に全金融機関に情報管理の徹底を伝えており、保険業界での流出が相次いだため、「再警告」となり、改善が行われず、再発した場合には、業務改善命令などの行政処分も辞さないとしている。



原油高1年続けば世界経済0.5%

首相の対外経済政策の助言役といえる内閣官房参与の黒田東彦氏は、現在の原油高が1年続けば、世界の経済成長率を0.5%押し下げ、世界の景気に及ぼす悪影響を指摘した。また、同氏は、2004年の実質経済成長率を4%程度、2005年度は2.5%程度になるとの見通しも伝え、来年度の景気減速を予想した。



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