社会・経済のうごき@しんぶん
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2004年07月20日号

全寮の中高一貫校、トヨタが設立へ

トヨタや中部電力など3社が進めてきた、『全寮制の中高一貫校“海陽中等教育学校”』の設置計画書を愛知県に提出するとともに、設立のための寄付金も目標額の200億円に達し、いよいよ2006年4月開校が現実化してきた。校長に内定している伊豆山東京大学名誉教授は、「英国数の授業時間を十分確保し基礎学力を徹底した上で、日本の歴史など教養も重視し世界で活躍できる人材を育てる」としている。



個人も景気回復の実感を強める

日銀の生活意識アンケート調査によると、景況感指数(DI)は、前回の3月調査時点よりも9.6ポイント改善しマイナス14.9となった。依然マイナス状況にはあるが、1996年3月以来では最も高い水準となり、個人も景気回復の実感を強めてきていることが浮き出ている。しかし、暮らし向き指数(DI「ゆとりがでてきた」-「苦しくなってきた」)は、マイナス44.4と前回から1.1ポイントの改善にとどまっており、雇用・社会保障への不安を持っていることもにじみ出ている。



銀行の国債保有100兆円を突破

日銀によると、5月末の全国銀行の国債保有残高は、前年より20兆円増えて、108兆円となったと発表した。国債保有が増えた背景には、企業向け融資が伸びず、余剰資金を国債購入に回している実態がある。スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)によると、10年国債の金利が1%上昇すると、大手行だけで2兆1千億円(業務純益の約半分相当)、地銀だと1兆5千億円(業務純益の約1年分相当)が含み損として、吹き飛ぶとしている。



1分間で「血管年齢」を測定

オムロンは、医療機関向けに血管の固さを座ったまま1分間で測定して「血管年齢」を調べる測定器を今秋発売する。手首にセンサーを巻き付け、脈拍から血管の固さを調べる仕組みで、血管のつまり具合を調べ、動脈硬化に伴う脳梗塞や心筋梗塞などの疾患予防に役立てる。



猛暑が景気回復の押し上げ効果を

民間調査機関の予測によると、猛暑がこのまま続けば、夏物衣料などの季節商品の売上増加、レジャー客の増加、農作物の生育促進などにより、今年度の実質国内総生産(GDP)を0.1~0.3%押し上げるものとみている。昨年は記録的な冷夏で大幅に季節商品の消費が落ち込み、前年の反動で高目の数字が出る可能性がある。



中小企業ほど高い、「心の病」休職率

厚生労働省・労働安全衛生研究班が初めて「心の病による休職実態」について全国調査を行ったところ、「心の病」で1ヶ月以上休む労働者の比率は0.5%前後にのぼっていることがわかった。休職率を従業員規模別にみると、300人未満で0.79%、300人~1千人未満で0.54%、1千人以上で0.37%と、中小企業ほど高くなっている。平均の休職期間は5.2ヶ月。同研究班では調査結果から心の病で休職している労働者総数は約47万人で、賃金ベースでの損失は年約1兆円にのぼると推定している。



フリーター経験は採用時マイナス評価

厚生労働省がまとめた「2003年雇用管理調査」によると、企業がフリーターを正社員として採用する際に、フリーター経験を「マイナス評価」する企業が3割にのぼった。マイナスと評価する理由は、①根気がなくいつやめるか分からない、②責任感がない、③年齢相応の知識・技能がない、ことを挙げている。因みに、昨年1年間でフリーターを正社員に採用した企業は12%だった。



薄型テレビがブラウン管テレビを抜く

電子情報技術産業協会は、2003年のテレビの出荷額で、液晶テレビとプラズマテレビを合計した薄型テレビ(60%増の3413億円)が、ブラウン管テレビ(25.4%減の3719億円)を初めて上回ったと発表した。薄型テレビが「新三種の神器」として消費をリードしていることを鮮明にした。



ビールもペットボトルに

アサヒビールは、酸素や炭酸ガスの透過性を抑えたビール用のペットボトルを開発し、年内にペットボトル入りのビールを発売する。



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