社会・経済のうごき@しんぶん
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2004年08月24日号

来年度分から年金納付額を通知

社会保険庁は、国民年金と厚生年金のすべての加入者に対して、過去1年間の年金保険料の納付額を2005年度分から、毎年通知する。通知には、加入している保険制度や納付した保険料の金額、さらに未納期間の有無などを記すとしている。国民年金加入者の確定申告の保険料納付証明書として利用できるとともに、厚生年金加入者にとっては、会社が天引きした保険料がきちんと納付しているかのチェックと本人確認にもなる。



刑法犯の検挙率は約25%と低迷

警視庁は、本年1-6月に刑法犯として認知した刑法犯は約128万件だったと発表した。年間として8年ぶりに前年を下回った昨年同期(1-6月期)よりもさらに4.5%ほど減少し、犯罪件数が下げ止まり傾向をみせてきている。一方、検挙件数は前年同期より8.3%増の約31万件で、検挙率は24.5%と低迷を続けている。



人口増加率、過去最低に

 総務省は、本年3月末時点の住民基本台帳に基づく日本の総人口は、1億2682万4066人であると発表した。前年同期と比較すると、13万5802人増となっているが、増加率は過去最低の0.11%増となった。出生者数も約112万人と過去最低を更新した。
年代別にみると、15歳未満の年少人口は約1778万人(前年比0.93%減、全体に占める割合は14.03%)、労働力の担い手たる15歳から65歳未満は約8463万人(前年比0.3%減、全体構成比66.73%)。これに対して、65歳以上の高齢者は約2440万人(前年比2.32%増、全体構成比19.24%)と、本格的な少子高齢化社会への突入していることを物語っており、社会保障制度の抜本改革論議が不可避の状況にある。



来年歳出上限を48兆2400億円に

政府は、来年度予算の概算要求基準(シーリング)で、一般歳出の上限を48兆2400億円とすることを閣議決定。社会保障関係費の自然増へ対処するため、今年度予算より6000億円多い。



「緑茶で胃がん予防」は女性に有効

厚生労働省研究班による男女約7万人を7―12年間追跡調査した疫学研究によると、「緑茶をよく飲む女性ほど胃がんになる危険性が下がる」ことがわかった。女性で一日に緑茶を5杯以上飲む人は、1杯未満の人より胃がんになる危険性が33%低くなっていた。男性では効果は認められなかった。同研究班では、「緑茶を飲むときは、熱いものだと食道がんの原因となることも究明されており、少し冷ましてから飲むこと」を勧めている。



郵政民営化で4分野とも黒字に

経済諮問会議に郵政民営化のあり方を助言する有識会議によると、郵政事業の民営化をすれば、郵便・郵便貯金・簡易保険・郵便局窓口網の4分野とも、単独でも黒字化するとの試算をまとめた。試算は、2007年の民営化から5-10年過ぎた時点を想定し、現在の27万人いる職員は定年退職で20万人体制となり、人件費コストが減少。そのうえ、投資信託などの窓口販売商品が増えることや、仕分け業務などの集中化・効率化によってのコスト削減が見込まれるとして、最大で年間9000億円が収益改善すると見込んでいる。



不要不急の工事を止め、3割を節約

国土交通省は、渋滞の原因ともなっている国道の不要不急の整備工事をやめ、来年度から3年間で経費を約3割削減し、削減した分で、今後加速度的に老朽化が進む高架橋の補修対策に回す計画である。これまで、路面の損傷がわずかで利用者からも苦情が出なくても補修を行っており、国道の維持管理費用は年間約600億円を費やしてきた。



高齢者の半数超が「若者と交流なし」

内閣府の「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」によると、「家族以外の若い世代との交流の機会がない」とする60歳以上の高齢者は52.8%を占めた。通常の近所付き合いでも「親しく付き合っている」は52.0%、「挨拶ていど」は40.9%、「ほとんどしていない」が7.1%となっており、高齢者の近隣住民との交流の希薄さが浮き出ている。ただ、ゲートボールなどのグループ活動に54.8%の高齢者が参加しており、1988年と対比すると18.4%増で、趣味による高齢者の交流の輪が拡がっているとみられる。



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