社会・経済のうごき@しんぶん
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2004年07月06日号

世帯の所得格差、過去最高に

厚生労働省が3年に一度実施している『所得再配分調査』によると、世帯ごとの所得のばらつきを示す指標(ジニ係数)が、2002年時点で、0.4983と過去最高となった。厚生労働省では、格差が広がった背景には、公的年金を所得としてカウントしないため高齢者世帯での所得ゼロが増加しているとする高齢化説を強調しているが、90年代後半からの失業者増や能力給による賃金格差の拡大があると民間シンクタンクは見ている。



国の借金は703兆円に拡大

財務省は、2003年度末の国債・借入金・政府短期証券(FB)の合計額は703兆1478億円になると発表した。これは国の借金そのもので、過去最大となった。国民一人当たりに換算すると約550万円。また、その規模は、国内総生産(GDP)の1.4倍、2004年度の税収の17倍に相当する。地方の借金も加えると960兆円超となり、この国の将来を制約する大きな問題である。



世界最小の燃料電池、05年商品化

東芝は、親指大という世界最小の燃料電池をこのほど開発した。この燃料電池はメタノール発電方式によるもので携帯音楽プレイヤーを最大20時間駆動でき、2005年中には商品化を目指している。また、この電池は、これまでの充電システム電池とは異なり、メタノールを補充することで、電子機器の使用を続けることが可能で、今後、携帯電話電源やノートPC、モバイルでの活用範囲を広げ、2007年の実用化を目指すとしている。



無給で1年以上の長期休暇を

厚生労働省の専門研究会は、労働者の勤労意欲を高めるため、目的を限定しないで1年以上の長期休暇が取れる制度の導入を企業に求める報告書をまとめた。この場合、休暇中は無給とすることを前提としている。同研究会は、まとまった休暇期間で、地域活動への参加や大学院での学習などに充てることで、人生の再設計や職業能力開発につながるとアピールしている。休暇中の賃金は無給にし、退職金の算定期間からも除外するとしている。



家族の変化で所得控除見直しへ

政府税制調査会は、配偶者控除や扶養控除といった家族向けの所得控除によって所得税負担を軽減している措置について、高齢化やライフスタイル、さらにはパートや派遣労働者などといった雇用形態など、旧来とは大きく変化していることを踏まえて、所得控除制度を今秋以降、見直すとしている。現在の所得控除制度の下では、共働きや単身の世帯では相対的に不利に作用し、課税の公平を図る上でも、税制論議は避けられない。



25年後の日本経済に向け指針策定へ

内閣府は25年後の日本経済を念頭に、中長期的な成長戦略『日本経済21世紀ビジョン』を年度内にまとめるとしているが、このほど4つの重点分野に分けて検討していくこと方針を固めた。4つの重点分野は、「マクロ経済」「競争力」「生活」「国際経済」で、少子高齢化に伴う経済成長の鈍化、中国経済の台頭による国際的地位の低下、環境に配慮した循環型社会の実現、といった解決策を探る形で、2030年の日本の将来像について検討する。



月1千万円の高額医療が101件

健康保険組合連合会によると、2003年度の患者1人の医療費が1千万円以上になった事例が101件にのぼり、高額医療が増えていると発表した。高額医療が増えているのは、医療技術の進展で保険が適用される高度な治療や医療材料の範囲が広がっていると健保連ではみている。医療保険はは原則3割が自己負担だが、高額医療の場合は17万円弱の患者負担で残りは医療保険から支給される。



IT活用でユニバーサル社会を

政府は、来秋の臨時国会に、障害者・高齢者への考え方をさらに進め、子供や健常者、外国人など全ての人に暮らしやすいユニバーサル社会を実現するための「ユニバーサル社会創造法案」を提出する予定だが、この具体的施策として、道路や電柱などICチップを埋め込み、携帯電話端末機で目的地までを音声や画像で知らせる、IT活用のインフラ整備を2006年度までに進めるとしている。ICチップには、目的の場所の識別番号が付けることで、位置だけでなく、「○○病院の第1内科」といったように建物の中の場所まで特定できるようになる。ICチップ設置には、企業や個人に幅広く協力を求めるとしている。



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