総務省の発表によると、ふるさと納税で寄付した人が居住する自治体の2017年度個人住民税の減収額が前年度比1.8倍となる1766億円に上ることが分かった。東京の466億円を筆頭に、神奈川、大阪、愛知の都市部での減少が際立ち、この4都府県で減収総額の半分を超えた。住民税減収額とふるさと納税の寄付受入れ額の収支でみると、黒字の首位は北海道で、山形、宮崎が続いた。
中央最低賃金審議会は2017年度の地域別最低賃金の改定にあたり、全国平均の時給を前年度比3%増の25円引き上げ、848円とする目安をまとめた。昨年度、過去最大の伸びとなったが、今回の引き上げは前年度を1円上回り、2年連続で過去最大を更新した。引き上げ幅は、政府が働き方改革で目標として掲げている「全国平均1000円を目指した年率3%程度」に落ち着いた格好となっている。今後、各都道府県での最低賃金審議会で検討され、10月から順次改定される。
桐蔭横浜大などの研究チームが2004年~2014年の東京・大手町の気温や湿度、日射などの気象データを基に、「暑さ指数」を算出したところ、年0.4度の割合で上昇していて、このままだと2020年には34度を超えると予測した。環境省の基準では、暑さ指数が28度を超えると熱中症患者が急増するとされ、28~31度は「限界レベル」で激しい運動は中止するよう求め、31度以上は「危険レベル」で運動は原則やめるように推奨している。東京五輪で、選手だけでなく、観客やボランティアの影響も危惧される
総務省が発表した2017年版情報通信白書で同省の試算によると、様々なものがインターネットにつながる「IoT」技術が拡がった場合、2030年の実質GDPは内閣府が推計している135兆円高い725兆円に達すると見込んでいることが分かった。同省が国内3755社を対象にアンケート調査などをもとに、独自試算したもので、IoTへの投資や生まれる新サービス、専門人材の増加、IoTに強味のある企業の買収効果、さらには省力化や在宅勤務の拡がりで高齢者や女性の就業率が上がると見込んでいる。
厚生労働省は6月の有効求人倍率は0.02ポイント上昇し1.51倍となったと発表した。43年4カ月ぶりの高水準にとなり、正社員の求人倍率だけで見ると、1.01倍となり、集計開始の2004年以降で初めて1倍を超えた。同省では、「着実に雇用情勢は改善してきている」とみており、非正規だけでなく、正社員の人手不足感が広がっていることを浮き彫りにしている。
政府の試算によると、有給休暇の1人当たりの取得日数が年間3日増えた場合には、宿泊費・飲食費・交通費などを合わせた国内旅行の旅行消費額は9213億円押し上げられることが分かった。政府が平成30年度から導入するとしている小中学校の夏休みの一部をずらして大型連休とする「キッズウィーク」に呼応して親の有給休暇取得を促すことに伴うことでの試算を行なった。旅館・ホテルの利用客室数や正規雇用の割合も押し上げられるとしている。
厚生労働省が作成した簡易生命表に基づいた2016年生まれで90歳まで生きる男女の割合が、女性で49.9%、男性で25.6%となることが分かった。男女とも、2015年と比べると、男性が0.7ポイント、女性が0.8ポイント延び、一段と長寿化社会へ向かう姿が浮き彫りとなった。簡易生命表によると、昨年生れた人が亡くなる死亡原因の首位は男女ともに「がん」、2位は「心臓病」、3位は男性が「肺炎」、女性が「老衰」としている。
国立がん研究センターなどは、受診者の血液1滴で「13種類」のがんを診断し、早期発見する新しい検査法を開発し、8月から臨床研究を始めることが明らかになった。検査法は細胞から血液中に文物される遺伝子の働きを調節する微小物質「マイクロRNA」を活用するもので、がん細胞と正常な細胞ではマイクロRNAの種類が異なることに着目して診断するとしている。既に、同センターや検査技術を持つ東レなどはがん患者ら約4万人の保存血液から、全てのがんで95%以上の確率で診断ができている。