欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉が閣僚協議で大枠合意に達した。合意により9割強の品目で関税が撤廃され、日本とEUとの双方の市場での経済活動が自由となり、世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める経済圏が生まれることになる。同時に、アメリカをはじめとする保護主義が台頭する中で、自由貿易の重要性を日欧が一体となったメッセージを発した意味合いを持つEPA合意となった。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2016年度の運用益が7兆9363億円の黒字になったと発表した。前年度の5兆円を超える運用損から一転し2年ぶりに黒字となった背景には、国内と海外の株式での運用で年度後半の株価上昇が寄与し、運用利回りは5.86%だった。運用益を資産別にみると、国内株が4兆5546億円で最も大きく、外国株式が4兆3273億円となった。2016年度末の資産構成割合は、国内株式が23.28%、外国株式が23.12%、国内債券が31.68%となっている。
財務省が発表した国の2016年度一般会計決算によると、税収は前年度比1.5%減の55兆4686億円にとどまったことが分かった。7年ぶりに前年度を割り込んだ。税収の内訳をみると、所得税が1.1%減の17兆6110億円、消費税が4.6%減の10兆3289億円、法人税が4.6%減の10兆3289億円で、主要3国税が減少しており、エコノミストは「経済成長による税収増を目指す安倍政権の政策効果の失速がみられる」と指摘している。
協会けんぽの発表によると、2016年度決算見込みが4987億円の黒字となり、記録が残る1992年度以降で最高の黒字額となったことが分かった。黒字となった要因として、景気回復を背景に加入者が増加したことや賃金上昇により保険料収入が挙げられている。また、保険料などを積み立てた準備金も過去最高の1兆8086億円に達する見通しである。協会けんぽでは、「黒字は一時的な要因が重なった」と指摘するように、1人当たりの医療費の伸びが賃金の上昇幅を上回っている。
総務省が発表した今年1月1日時点の住民台帳に基づく人口動態調査によると、国内の日本人は1億2558万人となり、前年より30万8084人減少したことが明らかになった。初めて前年を30万人上回り、人口減少は8年連続となった。41道府県で前年を割り込み、東京圏の一極集中も浮き彫りにした。また、死亡者数から出生者数を差し引いた自然減は統計開始の1950年以降で最多の32万8313人となり、今後も高齢者の増加と出生数の減少傾向を背景に自然減の拡大は続くとみられる。
厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会は、正社員と非正規社員との格差を是正する「同一労働同一賃金」に関する報告書をまとめた。報告書では、派遣労働者の待遇を決定する手法として、派遣先企業の社員の待遇と合せるか、派遣会社が労使協定で決めた水準にするか、いずれかの選択性が適当としている。政府は秋の臨時国会に関連法案を提出し、2019年度の制度導入を目指すとしている。
検索大手のグーグルが発表した2017年上半期(1~6月末)の国内で検索数が急上昇した「ワードのトップ10」と「話題の人トップ5」によると、ワードの首位は日本が惜敗した「WBC」で、話題の人のトップは「小林麻央さん」だった。トップ10は「プレミアムフライデー」「森友学園」「てるみくらぶ」「ニンテンドースイッチ」が続いた。話題の人では、「松野莉奈」「藤井聡太」「ブルゾンちえみ」「須藤凛々花」が続いた。
厚生労働省研究班の調査によると、全国の歯科医療機関の半数近くが「歯を削る」医療機器を患者ごとに機器を交換せずに使い回ししている可能性が分かった。歯を削る医療機器というのはドリルを付けるハンドピースと呼ばれる「柄」の部分で、日本歯科医学学会の指針では患者ごとに機器を交換し、高温の蒸気発生装置で滅菌するように規定している。機器を使い回すことで唾液や血液が付着しやすく、使い回すことで次の患者に細菌やウィルスを感染させる恐れがある。