内閣府は7~9月期の「需給ギャップ」がマイナス3.1%となり、需要不足額は名目ベースの年換算で15兆円になったと発表した。前期(マイナス2.0%、10兆円)より拡大したことで、長引くデフレからの脱却は一段と遠のいたことになる。需給ギャップは、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示すもので、需要が供給を下回るとマイナスとなり、物価が下がりやすい状態に陥ることになる。
国際エネルギー機関(IEA)が発表した「2012年世界エネルギー見通し」によると、米国のガス生産量は2015年にロシア、石油生産量が2017年にサウジアラビア、それぞれを抜き、世界最大になることが明らかになった。これにより、米国は2035年までエネルギー輸入が不要となる。また、同見通しでは、日本では液化天然ガス(LNG)の輸入増加により電気料金は2035年には米国の2倍近くになるとの見通しを明らかにしている。
日本産業機械工業会がまとめた2012年度上半期の産業機械受注額は前年同期比24.0%減少の1兆9039億円となったことが明らかになった。受注額が2兆円を割り込むのは10年ぶりとなる。内訳をみとる、内需が18.9%減の1兆2844億円、外需が32.6%減の6194億円となり、内外需ともに大きく落ち込んでいる。同工業会では「半期ベースの受注額は平成に入って最も低い」と指摘し、今後も厳しい状態が続くとしている。
厚生労働省の発表によると、2012年の大卒初任給は前年比1.2%減少の19万9600円となったことが明らかになった。大卒初任給が2年ぶりに減少に転じた一方で、高卒は15万7900円となり増加に転じた。大卒の初任給が減少した背景には、前年比2.5%と減少幅が大きかった従業員規模1千人以上の大企業が賃金を抑えたことが響いている。
国税庁のまとめによると、今年6月までの1年間に行った相続税の税務調査の結果、無申告事案が932件で、課税対象の遺産金額は1213億円に上ることが分かった。過去10年間で、件数と金額ともに最多となった。同庁は昨年1年間で1万3787件の相続税の実地調査を行い、このうち8割に相当する1万1159件で申告漏れを指摘した。同庁では、「無申告は税の公平感を著しく損なう行為」としたうえで、今後も積極的に調査を強化していく方針を示している。
全国医師ユニオンが医療機関で働く勤務医の約2千人を対象にしたアンケート調査によると、47%が「健康に不安で病気がち」、71%が「ストレスを抱える」、62%が「職場を辞めたいと思う」と答えていることが明らかになった。また、当直明けに、そのまま終日勤務している医師も79%に上ることも分かった。同ユニオンでは「過酷な長時間労働が常態化しており、医師不足を解消し、勤務状態を改善する必要がある」と指摘している。
第一生命保険が11月中旬から業界では初めてとなる「死亡保険金の請求翌日の支払い」を行うことになった。保険金受取人の給付申請から3営業日後に支払うのが一般的だが、葬儀費用や緊急の出費といった遺族のニーズに素早く支払うことで応えようとする狙いがある。その際、不正行為を防止する上から、病気による死亡であることや契約から2年経過していることが条件となる。
東京海洋大の研究チームが氷の面積が観測史上で最も小さくなったとされる北極海での現地調査を行ったところ、海水に含まれる熱量が1990年代比で最大3.25倍に達する温暖化した海域があることが分かった。北極海の海氷面積は80年代の半分以下になるほど激減しているが、今回の調査で、1平方メートル当たり最大で約650メガジュール(1997年以前は約200メガジュール)の熱量が含まれていた。同研究チームは「今後も氷の減少が続く恐れがある」としている。