国際通貨基金(IMF)が発表した世界金融安定報告によると、増え続ける日本の国内銀行での国債保有高が、国債金利が上昇(価格は下落)に転じれば、銀行は大きな損失を抱えることになり、金融が不安定になる恐れがあると警告を発した。IMFは国内銀行の国債保有残高が2017年までには30%まで高まると試算したうえで、国債保有リスクが高まり、日本の金融安定を脅かす中心課題だと指摘し、銀行と財政の相互依存が強まることは問題だと主張している。
国際通貨基金(IMF)は2013年のギリシャ政府の債務残高の対国内総生産(GDP)比見通しを今年4月時点より21ポイント増加の181.8%まで引き上げた。緊縮財政によって経済成長率は4月時点の0%からマイナス4%まで景気が落ち込み、GDPが縮小することが背景にある。民間銀行が大規模な債権放棄を続けているにも関わらず、債務が増え続ける状況にあって、ギリシャの財政再建計画の見直しは不可避な実情にある。
米調査会社ガトナーが行った7~9月期の世界のパソコン出荷調査によると、中国レノボグループが市場シェアの15.7%を獲得して、初めて世界首位になったことが分かった。レノボは前年同期比9.8%増となり、2006年以降首位を守ってきたヒューレット・パッカード(HP)は2位に転じた。ただ、世界出荷全体では、マイクロソフトの新OS「ウィンドウズ8」の10月下旬発売を前にして出荷を抑える傾向にあり、前年同期比8.3%減の8750万台にとどまった。
文部科学省が開設する「24時間いじめ相談ダイヤル」への7月の相談件数が過去最多の2900件を超えたことが明らかになった。大津市でのいじめ問題による自殺が発覚した時期で、前年同月の2.5倍にも達した。また、民間の無料電話相談を行う「チャイルドライン」には、7月に7万件を超える電話があったものの、実際応じられたのは約2万件弱にとどまり、子ども声を聞く現場は深刻な事態にあることを浮き彫りにした。
国土交通省と厚生労働省は、建設業者の従業員の社会保険の加入徹底を図るために、11月に建設業の許可・更新時に抜き打ち検査で保険加入状況を確認する制度を導入すると発表した。未加入業者には指導を行い、改善しない場合、地方労働局や年金事務所などに通報したうえで、立ち入り検査を行い、拒否し続けると、営業停止や強制加入措置が講じられる。国交省の調べによると、建設労働者の2割が雇用保険、4割が健康保険や厚生年金に加入していない実態にある。
全国自治宝くじ事務協議会は収益金の具体的な使い道についてインターネットで公開を開始した。政府の事業仕分けで、不透明な運営実態を指摘されたことに対応するもので、昨年度に配分された地方自治体が収益金で行った事業一覧を掲載した。ただ、今回の公開では、自治体ごとの収益金の配分額が公開されていないのに加え、事業仕分けで指摘された官僚OBが役員を務める3法人への自治体を経由した拠出額は明示されていない。
世界保健機関(WHO)の推計統計の発表によると、精神疾患であるうつ病患者数は少なくとも3億5千万人に達することが判明した。WHOはストレスの多い日本などの先進国だけでなく、発展途上国でも精神疾患の患者が目立つと指摘している。また、WHOは年100万人近くの自殺者のうち、うつ病患者の占める割合は半数を超えると指摘したうえで、早期の適切な治療が重要だと啓発している。
早稲田大学の森島教授らは、1枚の顔写真から数十年後の制度の高い3次元画像を作成するソフトウェアを開発し、犯罪捜査などに役立てる実用化に入った。開発されたソフトウェアは、写真データを入力し、加齢に伴う頭蓋骨の大きさの変化、肌のくすみ、しわの溝などを推定し、顔の立体画像をあらゆる角度から見た顔画像を作り出すことができる。犯罪捜査では、容疑者や行方不明者の写真などは経年とともに、実際の顔立ちが変わっているだけに、新技術活用で捜査に役立つものと期待されている。