財務省の試算によると、2012年度の地方公務員の給与水準が国家公務員の給与を100とするラスパイレス指数が106.9となり、9年ぶりに国を上回ることが明らかになった。国は東日本大震災の復興財源に充てるため、2012年4月から2年間で平均7.8%の給与削減しており、この影響で国と地方とのラスパイレス指数が逆転したとみられるが、財務省は「地方も不断の歳出抑制」に取り組むことを求めている。
欧州連合(EU)統計局は、ユーロ圏の17カ国の失業者数は1849万人に上り、過去最多に達し、失業率も前月を0.1ポイント悪化の11.6%になったと発表した。ユーロ圏で最も高い失業率は25.8%で突出するスペインで、ギリシャ(25.1%)、ポルトガル(15.7%)、アイルランド(15.1%)と、EUなどの支援下にある国が続いている。EU全体での失業率は前月と同じ10.6%で横ばい状態が続き、雇用拡大を最優先課題とするEUの情勢は依然不透明といえる。
SMBC日興証券が東証1部上場の企業の中間決算発表を終えた521社を集計したところ、純利益合計が前年同期比で32.4%減少していることが分かった。原発停止で発電コストが増した電力や、円高や海外との競争激化にさらされた電機などが軒並み赤字を計上したことが要因となっている。赤字要因となった環境の好転も見込まれないことから、2013年3月期決算でも厳しい業績内容となることが予想されている。
金融広報中央委員会が行った「2012年家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯の平均保有額は前年比59万円増の700万円となり、2人以上世帯は逆に42万円減の1108万円だった。保有資産の内訳は、「預貯金」が単身世帯で50.4%、2人以上世帯で56.9%とそれぞれトップとなった。単身世帯の金融資産の保有目的は、調査開始以来初めて、「老後の生活資金」(47.1%)が「病気や不時の災害への備え」(45.3%)を抜き、首位となり、老後への不安が増していることを物語った。
連合総研が行った「勤労者の仕事と暮らしに関する調査」で20~64歳の民間企業労働者の38.1%が「今後1年間に自身が失業する不安を感じる」としていることが分かった。とくに、男性の非正規社員では、ほぼ半数にあたる49.1%が不安を抱いていた。また同調査で、1年前と比べた勤務先の経営状況認識DI(「良い」から「悪い」を差し引いた数値)については、マイナス20.6で前回調査のマイナス17.9より悪化していることが判明した。
帝国データバンクがまとめた10月の景気動向指数調査によると、景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は3カ月連続で悪化し、35.5となったことが明らかになった。業種別にみると、「製造・小売」などの9業界で悪化し、唯一「建設」は5カ月連続で改善した。悪化傾向は「製造」が3カ月連続で悪化し、とくに震災前水準から4.7ポイントも下回り、10業界中で最低となった。同社では「外需が弱く、内需も力強さに欠ける中で、国内景気は後退局面入りの兆しが現れている」と指摘している。
社・全国軽自動車協会連合会のまとめによると、本年1~10月の軽自動車の販売台数は前年同月比43.4%の大幅な増加となる134万9千台に達したことが明らかになった。乗用車全体に占める割合も、過去最高となった景気減速が表面化した2008年(33.8%)を上回る34%となり、2012年にシェア率が過去最高になる見通しとなった。メーカー各社が燃費効率の高い新型車を投入したのに加えて、9月までのエコカー補助金が後押しする構図が背景にある。