社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年06月19日号

日銀、保有国債が紙幣残高を上回る

日銀金融政策決定会合で、今年年末での国債保有残高が92兆円に達し、銀行券(紙幣)発行残高は83兆円となり、保有国債が紙幣残高を上回ることが明らかになった。金融緩和政策により銀行が保有する国債を購入していることが背景にある。白川総裁は、「限度を超えて国債を購入し続ければ景気にも金融システムにも悪影響が及ぶ」との警戒感を示し、国債が市場からの信認を失い、国債価格が暴落(長期金利は上昇)することの危惧を表している。



火力発電比率が8割近くに急上昇

電気事業連合会の発表によると、2011年度の発電電力量の10社合計は前年度比約5%減少の9550億キロワット時となり、このうち火力発電分は同約21%増の7536億キロワット時もの大幅な増加となったことが分った。火力発電分は発電電力量の79%にも達した。一方、原子力発電電力量は同約65%減少の1018億キロワット時にまで減少し、これを補う構図で火力発電が急増しており、今後、火力発電における液化天然ガス(LNG)などの燃料費が電力各社の経営の重しとなることは避けられない。



違法ダウンロードに最大200万円の罰金

今通常国会で成立する見通しとなった著作権法改正で、海賊版と知りながら音楽や映像などをパソコンやスマートフォンにダウンロードした場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰則が適用される。これまではインターネットにアップロードした場合のみ罰則が科せられていたが、今回の改正でダウンロードも違法として罰せられることになる。日本レコード協会の調べによると、年間43.6億件もの楽曲の違法ダウンロードがあるとされている。施行は10月1日からとされている。



「精神疾患」での労災申請、過去最多に

厚生労働省の集計によると、2011年度に過労やいじめなどの職場での対人関係トラブルでうつ病といった「精神疾患」を発症し、労災申請した人は過去最多の1272人に上ることが明らかになった。申請は3年連続で過去最多を更新し、労災として認定された人も325人で過去最多となった。また、自殺(未遂を含む)による申請者も202人に達し、過去最多と深刻な状況にある。



来年度、傷害保険料は1割アップ

損害保険料率算出機構は2013年度の傷害保険料の目安となる「参考純率」を平均15%引き上げたことを発表した。参考純率の平均引き上げ率の内訳をみると、普通傷害保険が17.4%、国内旅行傷害保険が20.7%、海外旅行傷害保険が8.8%、とそれぞれ引き上げとなる。これを受け、損保各社は自社の傷害保険の保険料の見直しに入ることとなるが、各社の平均引き上げ幅は1割前後になるものとみられている。



高齢者、働きたいものの就業率は低く

閣議決定された「2012年版高齢社会白書」によると、60歳以上の71.1%が「70歳以降まで」または「働けるうちはいつまでも」と高い就労意欲を見せている一方で、65~69歳の就業率は36.3%にとどまり、70~74歳では22.8%と低迷し、就業意欲と実態のギャップを浮き彫りにした。また、高齢者が仕事を選択する際に重視することは、「収入(賃金)」が16.6%で5年前の前回調査から6.5ポイント上昇していた。



生活保護者数、9カ月連続で最多を更新

厚生労働省の発表によると、3月時点で生活保護を受給している人は210万8096人に達し、9カ月連続で過去最多を更新していることが分った。昨年2月に200万人を超え、同7月には過去最多だった205万人を突破していた。この1年だけをみると、約9万人近く増加しているが、背景には高齢者の増加に加えて、働ける世代でも失業を理由とした受給者が増えていることも挙げられている。



スペイン、人もマネーも流出

スペイン中央銀行の統計によると、今年1月~3月までに国外に流出したお金から流入したお金を差し引いた金額は971億ユーロ(約9兆7000億円)もの流出超過となっていることが分った。また、国家統計局によると、国全体の人口も今年1月の4620万人をピークに減少するとともに、国内事業所数も3年連続で減少している。経済危機が資金流出と移民増加を生んでいる。



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