社会・経済のうごき@しんぶん
バックナンバー
2004年05月18日号

厚生年金未加入企業に強硬手段

社会保険庁は、法人事業所と従業員5人以上の事業所に厚生年金保険の加入が義務付けられているが、保険料負担を回避するために加入していない事業所に対して、この5月から全国で巡回指導を始める。当面、厚生年金に加入していない新設事業所への加入指導として、経営者を呼び出したり、事務所職員が企業に赴き指導し、健康保険の加入と併せて、加入を求める。同庁では、さらに来年度、企業が加入を拒否しても、労働保険の加入状況とすり合せて、従業員の人数や年収を把握し、銀行口座を差し押さえて保険料を納めさせる強硬手段を講ずることを検討している。



“オレオレ詐欺”1-3月で20億円の被害

警察庁のまとめによると、今年1月~3月までの3ヶ月間で、「オレオレ詐欺」の被害にあった件数は2809件で、その被害額20億9397万円にのぼると発表した。昨年1年間での被害額が約43億円あったことから、この3ヶ月で前年の半分近くに達する状況にあり、被害が増加している現状を浮き彫りにした。



消費に持ち直し感が

内閣府が家計調査など各種消費指標をもとに算出している消費総合指数(2000年=100)によると、2004年1-3月期は物価変動の影響を差し引いた実質で、前期比0.4ポイント上昇の105.8となり、5期連続の指数改善となっている。株価上昇や雇用環境の改善を背景にして消費者心理が消費を押し上げていると見られる。



「指導力不足」教員、過去最多に

文部科学省の調査によると、2003年度に都道府県や政令指定都市から「指導力不足」と認定された教員は過去最多の481人、率にして前年度比66%増となったことが分かった。認定数は神奈川県が41人と最多で、香川県(28人)、広島県(25人)と続く。指導力不足教員は改善のため研修を受けるが、研修を受けているのは298人、指導力不足を理由に依願退職したのは88人などとなっている。また、校長などの管理職者が一般教員に希望して降任したのは、教頭から一般教員が多く、66人にものぼっている。
同省では、「人事管理システムが機能すれば指導力不足教員の認定数は今後一段と増える」とみている。



消費回復傾向か!?カード利用者増加

日本クレジット産業協会のクレジットカード動態調査によると、2月の利用額は、1兆6228億円で、前年同月比9.2%増加していることが分かった。前年7月までは5%未満で推移してきており、大幅な伸びといえる。個人消費の回復感がカード利用にも表れてきているとみている。利用額のうち、ショッピングが1兆2217億円で11.7%の増加で、今年1月(10.3%)に続いて、2ケタ増となった。



EU、米国GDP規模に匹敵

欧州連合(EU)は、5月1日、中・東欧と地中海諸国の10カ国が加盟し、25か国体制になった。人口4億5000万人の巨大市場規模、そして域内総生産(GDP)が9兆7310億ユーロとなり、米国GDPの9兆7130億ユーロと並び、経済や政治の面で国際社会に大きな影響をもたらすことは必至な見通しである。



ブロードバンド利用回線1.6倍に

総務省は、2003年度末のブロードバンド(高速大容量)通信サービスの利用回線数が、前年度末の1.6倍にあたる1491万7千回線になったと発表した。サービス地域の拡大と低価格化が進む光ファイバー通信が3.7倍(114万回線)、と急激な伸びを示し、主力のデジタル加入者線(DSL)も1.6倍(1119万回線)となった。DSL回線は鈍化傾向に示したのに対して、光ファイバーの急増ぶりが目立っている。



15歳未満人口は23年連続減

総務省は、本年4月1日現在の15歳未満の子供の推計人口は1781万人であると発表した。昨年より20万人も少なく、23年連続の減少となり、1950年調査開始以来の最低を記録。総人口に占める子供の割合は13.9%で、諸外国と比較すると、イタリア(14.3%)、スペイン(14.5%)と並び最低の水準。中国(22.4%)、アメリカ(21.0%)、韓国(20.6%)を大きく下回っている



トップへ