国際通貨基金(IMF)が世界金融安定報告の分析編で、国内総生産(GDP)に対する家計の借金比率は先進国が2008年の平均52%から2016年に平均63%で、新興国は平均15%から21%にと、それぞれ上昇していると発表した。その上で、家計の借金は短期的に経済成長や失業率低下と連動して良い影響を与えるものの、中長期的には金融危機の恐れを増大させると指摘した。借金のGDPに対する比率が30%になると経済へ悪影響を与えるとの分析を示している。
日銀が発表した9月末の資金循環統計によると、日銀が保有する長期国債残高は前月比7千億強の減少となる404兆2390億円となり、2013年4月の大規模金融緩和以来、初の減少となった。日銀が昨年9月に金利重視へ方針を転換しそれまで目標としていた国債保有残高の年間増加額80兆円を市中から買い入れる「めど」としていたが、実際の買い入れペースは直近では50兆円台に減速していることに加え、9月には国債を大量償還したことで保有残高が減少に転じた。
国際エネルギー機関(IEA)が発表した太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる世界での発電容量は、2022年に3056ギガワットに達し、2016年比で43%増加する見通しにあることが分かった。日本の再生可能エネルギーの発電容量は27%増の125ギガワットになると予測しているが、世界の伸びと比べ鈍化している。発電容量見通しが最も増加するとみられているのは、64%増加が見込まれる中国で、米国、インドが続いた。
閣議決定された「過労死等防止対策白書」によると、2010~15年に過労死を含む脳・心臓疾患で労災認定の資料分析で、業種別で最も多かったのは「運輸・郵便業」で、「卸売業・小売業」、「製造業」が続いいていることが分かった。また、精神障害の労災認定を受けた人の発症年齢は男性が30~39歳が最も多く、女性は29歳以下・30~39歳が最多だった。精神疾患で自殺に至った事例は男性で40代、女性で29歳以下に多かった。さらに、脳・心臓疾患での認定では50~59歳が最多だった。
日本世論調査会が行なった「ネット社会に関する全国世論調査」によると、インターネットを仕事や学校を除く日常生活の中で利用している人は66.4%と6割を超えていることが分かった。ネットを良く利用する端末(2つまで回答)は、スマートフォンが81%で最も多く、パソコンの68%が続いた。ネット社会の将来に期待と不安のいずれが大きいかを尋ねたところ、「不安」(53%)が「期待」(44%)を上回った。
第一生命経済研究所が35歳以上の妻が出産した既婚男女を対象にしたアンケート調査によると、35歳以上で出産した晩産女性の約半数は子どもが生まれてから親の健康・介護問題を経験したことが分かった。子ども誕生に際して、「子育て期間中に家族に介護が必要なダブルケアになるかもしれない」と意識していた人の割合は、女性が16.8%、男性が5.7%だった。ダブルケアが想定外として捉えられている向きが多く、同研究所では「晩産夫婦はダブルケアの負担の想定をしておくことが重要だ」と指摘している。
㈱ジェイアール東日本企画が学生を除く20~79歳を対象にした「Move実態調査2017」で、外出の回数の1カ月平均は43.6回で、30代が最も多い49.1回に上ることが分かった。外出回数は、通勤・買い物・通院などの18項目の頻度を尋ねたもので、20代は平均を下回る37.3回で、70代の40.8回以下だった。若い世代ほど自宅にいることを好む傾向がみられ、同社では「仕事をはじめ、あらゆることを自宅で行う動きが今後飛躍的に拡大する可能性があり、社会の停滞につながり得る」と指摘している。
東京慈恵医大の和田教授らの研究グループが、同大病院で人間ドックを受診した40歳代男性を対象にメタボリックシンドローム(メタボ)の割合を調べたところ、独身は23%で、既婚者の11%の約2倍だったことが分かった。また、メタボ予備軍は独身(17%)と既婚者(18%)とでは大きな差が見られなかった。研究グループでは、「独身はメタボの基準となる腹囲や中性脂肪、血糖値、血圧の平均値のいずれもが既婚者より高かった」としている。