財務省は2016年度の経常収支は20兆1990億円の黒字となったと発表した。9年ぶりに黒字額が20兆円台になり、黒字幅の拡大は3年連続となった。経常収支の内訳では、配当や外国債券の利子収入を含む第1次所得収支の黒字額は18兆356億円となり、貿易収支も原油安を背景に輸入額が減少し5兆7654億円の黒字となった一方で、サービス収支は9,748億円の赤字、第二次所得収支は2兆 908億円の赤字となった。
欧州警察機関のウェインライト長官は5月12日から世界規模で拡がったサイバー攻撃に関して「被害数は少なくとも150カ国の病院や企業など20万件に上る」と発表した。サイバー攻撃は「ランサムウエア」の新種ウィルスによるもので、コンピューターを停止させて「身代金」を要求する手口で、これを解除するために300ドル(約3万4000円)を要求してくる。同長官は「脅威の高まりに直面している。被害者数は増加中だ」と指摘。日本でも被害が確認された。
自民党の1億総活躍推進本部は現在の60~70歳で年金受給開始時期の選択可能枠を希望者には71歳以上も選択できるよう制度を見直すよう提言した。年金財政の安定を狙いにしたもので、受給開始を71歳以上にまで広げることで働くことが可能な高齢者に社会保障の支え手に回ってもらう考えを示している。提言では、66歳以上も本人が希望する限り働けるように国や産業に呼び掛けるとともに、受給開始時期の選択制についても周知を図るとしている。
成田国際空港が発表した2016年度の年間運用状況によると、航空機発着回数は前年比4%増の24万5705回となり5年連続で過去最高を更新するとともに、航空旅客数は同5%増の3905万3652人となり3年連続で最多を更新したことが分かった。また、国際航空貨物量は同13%増の79万2991トンとなり、5年連続で最高を更新している。いずれも開港した1978年以降で最高となった背景には、新規就航や増便があいつぐとともに、外国人旅客数が伸びていることが挙げられている。
日本郵便の発表によると、2016年度に取り扱った「ゆうパック」は前年度比9.1%増の6億3242万個で、過去最多となったことが分かった。4年連続で増加しているが、背景にはネット通販利用者の増加が挙げられている。雑誌などを配送する「ゆうメール」を合わせた荷物全体では同3.5%増の41億9527万個にも上った。他方、手紙やハガキなどの郵便物は、同1.7%減の177億3041万通で過去最低を記録し、15年連続での減少状態にある。
飲料総研のまとめによると、自動販売機の年間販売額は約2兆円となり、ピークだった1999年の約3.1兆円から約35%減少していることが分かった。清涼飲料の出荷量は自販機向けが1995年には約48%を占めたものの、昨年は約29%となり、スーパー向け(約38%)よりも減少し、コンビニ向け(約22%)にも追い上げられてきている。自販機の設置台数は30年近く横ばいで推移してきたが、昨年は約247万台で最少となっている。
財務省の発表によると、昨年6月までの1年間の金密輸事件の処分件数は、前年同期比1.7倍の294件となり、過去最多となっていることが分かった。金密輸が多くなっている背景には、安定資産としての評価で取引が活発化し高値安定していることに加え、輸入物品に対しては消費税を納付する義務が課されるため、密輸で課税を逃れるとともに売却に際しては消費税分を上乗せ売却することで収益が厚くする狙いがある。
三井ダイレクト損害保険㈱が今年4月に新社会人となった18~29歳の男女を対象にした調査で、初任給の使い道を尋ねたところ(複数回答)、「貯蓄」が53.7%で最多となったことが分かった。貯蓄額の平均は5万8627円となっている。2位には、前年1位だった「親にプレゼント購入」(50.0%)で、「外食」(23.0%)、「仕事用の品(スーツ、靴、かばん等)」(17.7%)、「旅行」(9.7%)が続いた。貯蓄が首位に躍り出たことで、新社会人の貯蓄に取り組む堅実さがみられた。