日銀の金融政策決定会合で、国内景気の現状判断を9年ぶりに「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正した。堅調な海外経済に支えられて輸出や生産が伸びて景気判断は「一歩前進した」との見方を示した。その上で、2017年度の経済成長率はこれまでの1.5%から1.6%に引き上げた。また、長らく目標としてきた物価上昇率2%の実現に関しては、2017年度は消費者の低価格志向を反映した小売り大手の値下げの動きから、これまでの1.5%から1.4%に引き下げた。
自動車主要8社が発表した2016年度の海外生産台数は、三菱自動車を除く7社が過去最高を更新したことが明らかになった。現地販売が好調なことから現地での生産が伸びているもので、海外生産台数は前年度比5.8%増の1911万台に上り、国内生産は同2.5%増の887万台で、海外生産台数の伸びが目立っている。また、併せて発表されたトヨタ自動車の世界販売台数は、グループのダイハツ工業と日野自動車を含む世界販売台数は1025万台で、4年連続で1千万台を超えた。
日銀は2017年度の銀行立入り検査(考査)でアパートローンの審査体制を重点的に点検する方針を固めた。銀行が賃貸住宅の建設資金融資額は2016年に前年比21.1%増の3兆7860億円にまで膨らみ、2010年以降で最大となっている。日銀は地銀などが借り手の土地などを担保に積極的に貸出を増やしてきているが、日銀では過剰な貸家建設で供給過剰による空き室の増加でローン返済ができなくなる借り手の続出することへの警戒感を強めている。
ヤマトホールディングスは9月に全ての顧客を対象に宅配基本運賃を最大で20%値上げすると発表した。同社の値上げは消費税率引き上げ時を除き、27年ぶりとなる。値上げに踏み切った背景には、ネット通販の急拡大も加え、取扱荷物が増大し、不在などでの再配達も含め、慢性的な人手不足で、現場では過重労働が余儀なくされており、それらの解消に向けた取り組みの一環が挙げられている。値上げによる増収は、労働環境の改善をはじめ働き方改革やサービスの維持に充てると、同社では発表している。
国際NGO「国境なき記者団」が発表した2017年報道の自由度ランキングによると、日本は調査対象の180カ国・地域の中で72位となり、主要7カ国(G7)では最下位となったことが分かった。同NGOでは日本が低位置にあることの理由として、「メディア内に自己規制が増えている」「政権側がメディア敵視を隠そうとしなくなっている」を問題視するとともに、特定秘密保護法に関して国連の特別報告者から疑問が呈示されたにも関わらず、「政権は議論を拒み続けている」と指摘している。
厚生労働省が全国の企業や団体に勤務する1万人を対象にしたパワーハラスメント(パワハラ)に関する調査で、2016年までの3年間でパワハラを受けたと答えた人は32.5%に上っていることが分かった。前回調査(2012年)より7.2ポイント増えており、同省で「パワハラへの理解が広がり、かつては該当しないと思われていたものもパワハラと認識されてきたのではないか」とみている。パワハラを受けた人に心身の影響を尋ねたところ、「怒りや不満を感じた」「仕事への意欲が減退した」と回答した。
文部科学省が全国の公立小中校の800校を抽出し約2万人の教員を対象にした公立校教員の勤務実態調査によると、学校内勤務時間が週60時間以上の教諭は、小学校で33.5%、中学校で57.7%に上っていることが明らかになった。こうした教諭は労働基準法が定める週40時間を20時間以上もの時間外労働をしていることになり、過労死ラインの目安とされている月80時間を超える時間外労働していることになり、過重労働の実態にあることが浮き彫りとなった。
フィットネス施設を運営するカーブスジャパンが首都圏在住の30~59歳の男女を対象にした調査で、自分の母親に求めるものを尋ねたところ(複数回答)、「健康」が88.3%の最多で、「長生き」(58.1%)、「笑顔」(33.1%)が続いていることが分かった。その一方で、「母親の健康のためにしていることがある」(25.9%)、「母親の血圧や血糖値など健康状態にかかわる数値を知っている」(28.5%)にとどまり、母親の詳しい健康状態を把握できていない人が多かった。