財務省は2016年度の貿易統計で貿易収支が4兆69億円の黒字だったと発表した。年度ベースで2010年以来6年ぶりの黒字となり、2011年3月発災した東日本大震災後では初めてとなる。黒字となった背景には、円高の進行と原油などの資源価格が値下がりしたため、輸入額が大幅に減少したことが挙げられている。輸出総額は3.5%減の71兆5247億円で、輸入額は10.2%減の67兆5179億円となっている。
証券会社をはじめとする個人投資家向け投資商品である少額投資非課税制度(NISA)の全取扱機関で買い付けた累計額は昨年12月末時点には9兆4756億円で、今年1~3月まで買い付け額が約5500億円となり、制度開始の2014年1月から約3年で10兆円を突破した。 NISAは株や投資信託などの譲渡益や配当金を非課税にする制度で、毎年120万円分が5年間非課税となる。株高を好感して中高年マネーが流入しているものとみられる。
日銀が発表した金融システムリポートによると、地銀や信金が不動産向け融資を増加している現状を踏まえた分析で、不動産価格がリーマン・ショック直後の水準にまで下落したら、地銀や信金の約4割が赤字に陥るとの試算が明らかになった。日銀の金融緩和政策で収益構造が悪化しているなかで、収益確保のために不動産向け融資への依存を強めており、価格下落によっては貸し倒れの発生により損失を生みやすいとしている。リポートでは、九州・沖縄で不動産向け融資が過熱していると指摘している。
秋田県の4月1日現在の推計人口が99万9636人となり、戦後初めて100万人を割り込んだ。全国最速ペースで人口減少が進んでおり、国立社会保障・人口問題研究所では2040年の同県の人口は約70万人になると推計している。同県では、「少子高齢化による自然減の拡大で減少ペースが速まった」と分析している。また、同県の65歳以上の人口が占める高齢化率も全国トップの約34%に達している。都道府県の人口で100万人を割り込んでいる自治体は10県となった。
厚生労働省は4月から育児や介護で離職した従業員を再雇用してから半年以上雇い続ければ、1人当たり最大で年48万円を企業に助成する制度の運用を開始した。対象となる企業は、離職者の再雇用制度を導入し、長期間従業員を雇用した企業で、企業は再雇用した従業員のうち最大5人分まで助成を受けることができる。厚労省は長期雇用を促す上から、再雇用された従業員が6カ月以上勤務した場合と1年以上勤務した場合の2回に分け助成金を支給するとしている。
法務省が日本に住む外国人を対象にした差別や偏見に関する調査を初めて行ったところ、外国人であることを理由に入居を断れた経験のある人は39.3%と4割近くに上ることが分かった。日本人の保証人がいないことを理由に入居を断れた外国人も41.2%に上った。また、外国人であることを理由に就職を断られた人は25.0%、同じ仕事をしているのに賃金が日本人より低かった人は19.6%だった。
閣議決定された今年の中小企業白書で、中小企業の約半分で「人材不足」を感じており、商機を生かせない懸念が高まっていると指摘していることが分かった。白書は、専門性の高い高度な業務を担う「中核人材」と比較的安定的な業務を担う「労働人材」とに分類したうえで、中小企業では、中核人材は48.2%、労働人材は52.6%がそれぞれ「不足している」と答えている。白書は「人材不足で新事業・新規分野への展開が停滞するとともに、需要増加に対応できずに機会損失している」ことを指摘した。
経済産業省がコンビニ大手5社と協力して電子的に商品情報を記録したICタグを2025年までに貼り付けると発表した。「コンビニ電子タグ1千億枚宣言」と称され、買い物かごを置くだけで会計できるセルフレジの普及を目指し、国内コンビニ全店舗での導入を目指すとしている。無人レジ化によって、少子高齢化による人手不足に対応する狙いが背景にある。ただ、現状ではICタグの単価は1枚10~20円と高いため、同省では1円以下にすることを普及の前提条件としている。