社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年07月24日号

厚生年金保険料の滞納、過去最高

厚生労働省の発表によると、2011年度に厚生年金の保険料を滞納した事業所数は過去最高の16万2735件に上ることが明らかになった。加入する全事業所数の約1割が滞納していることになり、同省では「企業の資金繰りのひっ迫が続いている」とみている。保険料滞納の事業所に対しては督促を促し、督促に応じない場合には差し押さえを行っているが、昨年度は差し押さえ件数が前年度比3割増加の1万7800件にも達した。



低成長なら就業者は20年で850万人減

厚生労働省が独立行政法人労働政策研究・研修機構に委託調査した報告書によると、今後、日本経済の実質経済成長率がゼロ成長とした悲観的なケースの場合、2030年の就業者数は2010年比で約850万人減少することが明らかになった。逆に実質経済成長率が2%程度で推移するという楽観ケースでみても、約210万人減少するとしている。産業別にみると、就業者数が増加するのは、医療・福祉、情報通信業、サービス業だけとなっている。



今春既卒で就職未定者の半数が就職

厚生労働省の集計によると、就職を希望していたものの内定が得られずに今春卒業した大学生や高校生は約4万8千人に及んでいたが、今年6月までにこの半数を超える2万4663人がハローワークを通じて就職したことが分った。既卒者の51%と過半数に達した背景には、卒業後3年以内の既卒者を新卒者と同様に扱うよう求めた政府の要請に経済界が呼応したことや、企業の採用意欲が高まってきたことが挙げられる。さらに、同省では「ハローワークが学生を支援している実態が周知され、在学中から相談に来る人が増加したことも一因だ」と指摘している。



50型液晶テレビ、10万円を割り込む

中国の家電大手である海信集団(ハイセンス)が日本市場で5機種の液晶テレビを順次発売すると発表したが、最も力を入れている50型液晶テレビの市場実勢価格は10万円を割り込むことが明らかになった。日本国内メーカーの同サイズテレビの半額以下となる。同社が主力として投入する50型はバックライトにLED光源を採用するフルハイビジョン(HD)テレビとなる。同社では投入する5機種で年間10万台を日本で販売することを計画している。



工事発注価格に社保料を、国交省が通達

国土交通省は工事発注に際して工事発注価格に建設労働者の社会保険料を適切・適正に反映するように求める通達を出すこととなった。今回の措置は、建設業者が社会保険に加入していないことに加え、ゼネコンなどが発注者から価格引き下げ要求に応じる上で、下請け業者の社会保険料を削減している実態があるとして労働環境の改善を狙ったものである。同省の調べでは、建設業に従事する労働者の約4割しか健康保険や厚生年金に加入していなかった。



国保の医療費突出の背景に「うつ病」増加

厚生労働省が2010年度の診療報酬明細書を分析調査したところ、国民健康保険の1人当たりの医療費が他の保険制度の2倍にも達していることが分った。国保の1人当たり医療費は29万7260円だったのに対して、大企業の健保組合は同13万4006円、中小企業の協会けんぽが15万5388円、公務員共済組合が15万140円と大きく下回っている。同省では、うつ病などの精神疾患で長期入院する患者が会社を辞めて国保に移ったために国保の医療費が押し上げられたとみている。



東京など、最低気温が100年で4度上昇

気象庁のスーパーコンピュータによる解析で、東京・大阪・名古屋の3都市で最低気温が100年で約4度上昇していることが分った。最高気温は1~2度の上昇にとどまっており、同庁では「昼間にたまった地表熱がビルなどに阻まれて滞留した結果、夜間気温が下がりにくい」、いわゆるヒートアイランド現象の影響が最低気温を押し上げたものとみている。最低気温の100年前との比較では東京都が4.5度、大阪で3.9度、名古屋で4.1度の上昇がみられた。



観光都市ランキング、京都が世界9位

世界で影響力を持つ米国旅行雑誌・トラベル+レジャー誌が読者投票による世界観光都市ランキングで、京都が世界9位となり、日本国内で唯一トップ10入りを果たしたことが分った。読者が風景や文化・芸術などの5分野の採点基準に基づく投票方式で選ぶもので、選出された京都市では「寺社や伝統産業が高く評価されたのでは」と分析している。世界1位にはタイのバンコクが選ばれている。



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