社会・経済のうごき@しんぶん
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2012年07月10日号

欧州金利、過去最低に引き下げ

欧州中央銀行(ECB)は欧州景気を下支えする上から政策金利である市場調整金利を過去最低の0.75%に引き下げると発表した。同銀行が金利を0%台にするのはユーロを導入した1999年以降で初めてであり、ユーロ圏経済の危機を浮き彫りにした形となる。中国も金利引き下げを行うとともに、米英国も長期金利の低下を促す措置を講じ、日本でも市場から国債買い入れ基金を増額するなど、世界的に金融緩和政策を講じ、世界景気の悪化への歯止め措置を講じてきている。



穀物価格が最高値へ近づく

トウモロコシ価格の指標となるシカゴ市場の先物価格が1ブッシェル7.68ドルとなり、史上最高値となった昨年6月時(同7.9975ドル)に近づきつつある。また、大豆も同16.265ドルとなり、過去最高値となった2008年7月時(16.63ドル)に迫っている。両穀物の主産地である米国中西部の熱波により、高温で乾燥した状態により、生育への悪影響懸念が広まっていることや、米国内在庫が低水準な状況にあって品薄が長期化するとの見通しが穀物の国際価格上昇の背景にある。



脱税摘発金額は22%減の192億円に

国税庁のまとめによると、2011年度に強制調査(査察)で摘発した件数は189件で、脱税金額は約192億円に上ることが明らかになった。摘発件数は前年度比約13%減少し、脱税金額も同22%の減少だった。また、脱税事件のうち、検察庁に悪質として告発された対象件数は117件、脱税額は約156億円となり、告発率は61.9%にとどまり、38年ぶりの低水準だった。同庁では「経済状況の悪化から、大型脱税事件が減少したため告発率が減った」としている。



雇用調整助成金の支給要件を厳しく

厚生労働省が発表した雇用調整助成金見直し案によると、これまで過去3カ月の生産量が前年同期比5%以上減少した企業に支給されていた要件を、10月から10%以上に引き上げることが明らかになった。また、来年4月からは休業手当への助成率を大企業で2分の1(現行3分の2)、中小企業で3分の2(同5分の4)に引き下げることとしている。



国民年金保険料の納付率、最低を更新

厚生労働省のまとめによると、2011年度の国民年金保険料の納付率が前年度比0.7ポイント低下の58.6%になり、過去最低を更新したことが分った。納付率の前年割れは6年連続となる。国民年金加入者は従来、自営業者を中心だったが、近年はパートなどの非正規労働者の加入が増加したことから、収入が低いことや制度への不信感から若者を中心に保険料を払わない人の増加が目立っている。納付率が80%台だった1980年代半ばから低下傾向となっている。



生活保護受給に対する適正化案

厚生労働省の生活支援戦略中間報告で、生活保護受給者の不正受給に対する適正化を図る見直し案として、受給者の親族に経済的余裕があれば保護費の返還を求める仕組みが盛り込まれたことが分った。扶養義務のある親や子どもが保護費の返還を行うことで扶養義務を果たすよう促すとしている。また、見直し案では自己負担がないために過剰な受診による医療費増大を防ぐため、電子化した診療報酬明細書を活用し、効率的に点検・照合する仕組みを検討するとしている。



世帯所得平均は538万円の低水準に

厚生労働省の調査結果によると、2010年の1世帯当たりの平均所得額は538万円となり、1987年以降で23年ぶりの低水準にあることが分った。ピークだった1994年の664万円から126万円も減少している。子育て世代の平均所得額は658万円と高かったものの、前年比約40万円近くもの大幅な減少となり、65歳以上の高齢者世帯は307万円なった。同調査で、「生活が苦しい」と感じている世帯の割合は過去最高の61.5%に達した。



働く女性の非正規割合が過去最高に

厚生労働省の2011年版働く女性の実情(女性労働白書)によると、女性の非正規雇用は前年比18万人増加の1188万人に達し、非正規割合は過去最高の54.7%となったことが分った。正規雇用は同12万人減少の985万人だった。非正規雇用の増加背景には、家計を支えるために働き始める主婦が増えているものと同省は分析している。



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