経済協力開発機構(OECD)が発表した2019年と2020年の世界経済全体の実質経済成長率はそれぞれ3.5%となるとの見通しを示した。2018年推計の3.7%から縮小し減速するとの見通しを示したものだが、発表では「経済成長は力強い」としながらも、「ピークに達した」との見解を示した。OECDは米中貿易摩擦を背景に投資などが減速するとともに、景気後退リスクは数多く存在するとした上で、「政策立案者は持続的な成長のために注意深く経済の舵取りをしなければならない」とアピールした。
欧州連合(EU)特別首脳会議で英国のEU離脱交渉の合意案が決定され、来年3月29日の離脱日に向けて前進することとなった。今後は双方の議会での承認作業に入ることとなるが、英国議会では合意案に反対の声も根強く、議会で承認されるかどうかは不透明で、否決ともなれば、英国のみならず欧州経済や社会に混乱を生じかねないとの指摘がある。今回の合意案では、離脱後の激変緩和措置として、英国の単一市場参加などの現状を維持するための移行期間として、2020年末まで設けることが定められた。
財政制度等審議会が財務相に提出した「2019年度予算編成に向けた建議(意見書)」で、借金を膨らませてきた平成30年間の財政運営は「負担先送りのつけが回る将来世代が〝悲劇の主人公〟だ」と断じ、強い危機感を伝えるとともに政府や国会を指弾した。建議は社会保障費を主因として2018年度末の国債発行残高は28年前の5.3倍となる883兆円に膨れ上がったことを指摘し、平成は低負担・高福祉を求める「歪んだ圧力に抗いきれなかった時代」と総括している。
リクルートキャリアの調査によると、2019年春卒業予定の大学生が就職活動で企業の内定を受けたものの、内定を辞退した経験がある人の割合を示す辞退率が66.0%に上ることが分かった。内定辞退率で最高となった2018年卒の64.6%を上回り、過去最高を更新した。人手不足を背景に、企業は積極的に内定を早々に出すものの、辞退者続出で、一段と新卒確保に苦労している実態を浮き彫りにしている。ちなみに、10月1日時点での就職内定率は94.0%だった。
国際博覧会国際事務局の総会で2025年国際博覧会の開催国を決める総会で、投票の結果、大阪誘致を目指す日本が開催国に選出された。大規模万博の日本開催は、190年大阪万博、2005年愛知万博に次いで3回目となる。大阪万博は大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で、2025年5月3日~11月3日までの185日間が会期となる。150カ国や国際機関などが166のパビリオンが設けられ、入場者数約2800万人、経済波及効果は約1.9兆円になると試算されている。
政府は災害に強い国づくりを促進するための「国土強靭化」への緊急対策として今後3年間で3兆5千億円~4兆円を財政支出することが明らかとなり、初年度となる平成30年度第2次補正予算案に1兆円超を盛り込む方針を固めた。緊急対策として、老朽化した道路橋、公共施設の改修、空港の浸水対策、堤防の強化といった公共事業に加え、台風等による鉄道の計画運休対策にも国土強靭化予算に盛り込むとしている。ただ、一方では財政バラマキで財政健全化の歩みが滞るとの指摘も出ている。
米政府が発表した国家気候評価書によると、2015年以降に地球温暖化に関連した山火事やハリケーンなどにより4千億ドル(約45兆円)近くの被害が出たと指摘していることが分かった。評価書は適切な対策が講じられなかった場合、2100年までには米国GDPの最大10%の経済損失が生じると指摘した。その上で、温室効果ガスの排出に価格をつける炭素税などの導入や排出規制、再生エネルギー研究への支援などを行うよう求めた。
観光庁は今年1~10月までの訪日外国人旅行者は2610万人に達したと発表した。同庁では「特段のマイナス要因がなければ、2018年は初めて年間3千万人を超える」との見通しを示した。9月は豪雨や北海道地震が響き5年8か月ぶりにマイナスに転じたものの、10月は前年同月比1.8%増とプラスに転じた。観光庁の田畑長官は「2020年の訪日客を4千万人とする目標に向け、速やかに回復、拡大を図りたい」と今後の取り組み強化の方針を述べている。