政府は6月に決定する新たな財政健全化目標で、2021年度の赤字額を国内総生産(GDP)比で3%内に抑制するという新たな目標を検討していることが明らかになった。すでに、基礎的財政収支の黒字化達成時期の目標を従来2020年度からとしてきたものを、5年先送りする方針で検討しており、「財政赤字をGDP比3%内」は中間目標と位置付けられることになる。これらの目標達成に向けては、さらに社会保障費の抑制が欠かせない面もあり、高齢化が進む中、国民生活への影響も避けられない。
経済産業省の試算によると、介護関連の従事者数は2035年に79万人の人材不足になる見通しにあることが分かった。試算によると、2015年の従事者数は183万人で人材不足数は4万人、2025年には供給が215万人で不足数は43万人、さらに団塊世代が85歳を迎える2035年には供給が228万人に対し、不足は79万人に膨らむとしている。背景には、同省では、高齢化の進展とともに、政府が目指す介護離職解消の過程でサービスの需要が急増するとしている。
全国銀行協会は10月9日から深夜・休日を問わず、他行向けに即時振込が可能となる新システムを稼働させると発表した。全銀協に加盟銀行の7割を超える105行が参加する。現在の他行への即時振込は午前8時半~午後3時半に限定されているが、大手行や地銀はこれを一律午後6時まで拡大、さらに数十行は午後6時以降の夜間や早朝に加え、土日祝日にも他行への振り込みを拡大するとしている。利用者は利便性が高まるが、送金元と送金先の銀行での振込可能時間帯を予め知っておく必要がある。
帝国データバンクの調査によると、2017年度に創業100年以上の老舗企業の倒産・休廃業・解散が461件に上り、記録がある2000年度以降で最多に上ったことが分かった。業種別にみると、小売業が191件(全体比41.4%)で最多となり、製造業(21%)、卸売業(17.4%)が続いた。老舗企業の倒産が増えている背景には、地域経済の疲弊に加えて、インターネット通販の拡がりがあり、変化に対応できず、新たなビジネスモデルを構築できなかった側面がある。
厚生労働省の調査によると、昨年、一律定年制を65歳以上としている企業の割合は、17.8%に上ることが分かった。10年あまり前の平成17年の6.2%比べ、約3倍にまで増加している。業種別にみると、宿泊・飲食サービス業が29.8%と最も高く、運輸や建設、医療・福祉などでも平均を上回る20%を超えている。景気回復を背景に若年層の採用が困難になる中、優秀なシニア人材を活用しようとする企業が増えているとみられる。
国立精神・神経医療研究センターが、「うつ病」経験者と非経験者を対象にした調査を行なったところ、「うつ病」発症に生活習慣が影響していることが分かった。「うつ病」経験者は、「朝食を食べない」「間食や夜食が多い」「肥満または体重不足」「脂質異常症や糖尿病」などの頻度が多かった。調査は、うつ病経験者1千人(平均41歳)と非経験者1万1千人(平均45歳)と比較調査した。同センターでは、「生活習慣の見直しがうつ病の病状改善につながる可能性がある」と指摘している。
5月11日施行された「次世代医療基盤法」に基づき、病気の治療などの個人の医療情報を集約し、製薬企業や研究機関に提供する新たな仕組みがスタートした。ビッグデータを基に新薬開発などの研究開発に活かすことを狙いとしている。医療機関が最初の診察時に、カルテや検査データ、投薬歴などを提供することを患者に書面で提示し、本人が拒否しなければ情報が提供される。その際、個人の医療情報は匿名に加工され、提供されることになり、いつでも患者本人の申出で止めることができる。
アイロボットジャパンが全国の20~50代の既婚女性を対象とした花粉対策に関する調査によると、「自分も家族も花粉症」とする回答が最多の32.7%に上ることが分かった。次いで、「家族が花粉症」(24.2%)、「自分だけが花粉症」(15.3%)が続き、自分を含めた家族の誰かが花粉症とする家庭は72.2%に上っている。予防対策として(複数回答)、「マスクや眼鏡の着用」(64.7%)、「薬の服用」(39.2%)、「外に洗濯物を干さない」(26.8%)が続いた。